毎日アイデアを出す訓練
丸井零
2024年10月24日 正しさを探して
口論によって正しさが決定される社会が実現した世界の話。人間同士のトラブルが発生すると、ランダムに選ばれた無関係の5人が裁判官となり、2人の口論を聞いてどちらが正しいかを多数決で決定する。主人公は口論が異常に下手で、どう考えても自分が正しい状況でもうまく相手を論破できず負けてしまい、常に損をし続けている。負け続けてだんだんと精神が追い詰められていき、口論以外の位置に「正しさ」があるはずだと、探し求めるようになる。心理学、神学、脳科学、量子力学などに没頭して研究するが、どうしても正しさを見つけることはできない。この地球のどこかに、あらゆる文明のあらゆる正しさをまとめた究極の判断基準が置かれているということを主張し始める。最終的に、実際に究極の判断基準を発見することができた。しかしそれは人間がそのままで認識できるようにはできていなかった。その物体が発している音や光、表面の温度を読み取って数値化し、それを暗号として数学的に解くことで初めて人間に分かるようになる。しかし別の解き方をしたり、そもそも音や光や温度だけでなく、微弱な放射線などを測定してそれを解いてみると、また違う結果が出てくることが分かった。結局、究極の判断基準を前にして、またしても人類は正しさを巡って口論をすることになった。
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