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二人はだいぶ道の上を歩いたけど、目的地はまだどこにも見えなかった。
少し歩くと、また白いベンチが道のわきにあったので、その白いベンチで休憩をすることにした。(長い、長い旅なのだ。あせらない。あせらない)
白いベンチはこの長い道を歩いていく旅行者のために置いてあるのか、定期的に道のわきに置いてあるのを見ることができた。(とてもうれしかった)
二人は白いベンチに座るとそれぞれに水筒を荷物の中取り出して、ごくごくと飲み物を飲んだ。若いお母さんの水筒にはアイスコーヒーが、小さな娘の水筒には麦茶が入っている。(カップを交換して飲んだりもした)疲れていたから、すごく美味しかった。
ふー。足が棒になってしまったみたい。と自分の足をやさしくもみながら、若いお母さんは思った。
小さな娘はまだまだ元気いっぱいできょろきょろと飽きることなく代わり映えのしない周りの風景を見渡したりしていた。
「ねえねえ、お母さん。あれはなんですか?」と目をきらきらさせながらちいさな娘が若いお母さんに言った。
「うん? どれどれ」と若いお母さんは言う。
二人の歩いている道の周りには真っ白な大地が続いている。道のわきには枯れた木々が生えているところもあるが、それ以外にはとくになにかがあるということはなかった。(とても寂しい風景だった)
小さな娘が指さしているのは枯れた木の上にいる小さな動物のことだった。
あの動物はなんだろう?
りすだろうか?
うーん。でもりすじゃないような気がする。(もっと小さかったと思う)
でも、りすっぽいな。
りすににていて、もう少し大きな白い毛並みの動物だった。そんな不思議な動物が枯れ木の木の枝の上でなにかの木の実を一生懸命かじっている。
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