カミツバキ

神椿ユメ

1日目

 人間不信になっていることに気が付いた。私は、人と目が合わせられなくなっていた。なぜこうなったのか、自分でもわからない。でも、気が付けば、人を信じることができないことに気が付いた。

「どうせ誰も理解してくれやしない…」

希望だったのは、よく電話する友達や、家族、親戚はまだ信用できていたことだ。でも、どうしても同級生やバイト仲間を信用することはできなかった。

「私、どうしちゃったんだろう…」

気が付けば、部屋も散らかっているくらいだ、精神的に疲れていたのだろうか。いつも何かをして気を紛らわしていた。何から気を紛らわしていたのか、自分でもよくわかっていなかったが、今ようやく、理解できた。私自身が、私自身を理解できていなかったのだ。

 人間不信になっていることは、誰にも言わない。理解してくれないから。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

カミツバキ 神椿ユメ @kamitubakiyume

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ