夢集め
ももんがですが
夢 1
夢の前半は覚えていない。ただ兄に「服を取りに行く」と言いフェリーに乗り込んだ。行先はY島のはずだった。
気付けば砂浜にいた、だだっ広いシワのないシーツのような砂浜、後ろは緑の崖がそびえていた。確かにY島は砂浜はキレイだが、こんな小高い崖はあっただろうかと思った。
押し返す波と砂の狭間で誰かが独り言を言っている。 その人は両手に大きなエビを持ち前かがみになり海にさらしていた。
何かをしきりに話しかけている。その時、私はその彼の視点に移ったかと思うと、視界を字幕が囲った。広げた股下にはそのエビが、背中をこちら側に大人しい。
「これはスナエビと言って砂に擬態するからこのような色なんですよね。」彼が言う。
「Kにはいないんですか?」
向こう側から男性の声が聞こえてくる。
「Kは砂が黒いのでA島にしかいません。」
そのやり取りを見て私はなぜだか嬉しくなった。 私のニヤけた顔が視界いっぱいに映った。
それが途切れると私は自分の視界に戻った。すると突然、目の前に現れた彼が話しかけてきた。その時、何を話したかは思い出せない。ただ幼い頃から知っている旧友と話をしていたような懐かしい気分を感じていたことは覚えている。
気づけばフェリーのベランダに彼といて、あの砂浜へ接岸していた。広く見渡すと、奥にはやせ細った離れ小島が見えた。あれはいつか記事で見た能登の崩れた島の写しだったのでは?と今は思う。
ここでも彼と話したが前と同じ感情を抱いただけである。内容は覚えていない。
気づけば今度はY島に似た場所にいた。夕暮れの商店街、軽トラの荷台に彼と二人座っていた。彼はしきりに私に話しかけ、私も笑い、話しをしている。ただ内容は覚えていない。細い路地を結構なスピードいく軽トラ。帰り際の子どもがいても躊躇なく路地へ進んでいく。子どもとすれ違いざま私は目を伏せた。絶叫が聞こえると思った。しばらくして丁字路にさしかかり、軽トラは右へ曲がりすぐ坂の丁字路にまた突き当たる。そこには左手前には小さな小店、道路を挟んで奥には幼稚園らしきものが門を構えていた。
気づけば私たちはその小店の中にいた。中は店と言うより事務所のようだった。書類がそこかしこら、壁を埋めつくしている。ガラス戸の奥ではラジオ体操をする幼稚園児の声が響いていた。 するとカウンターに座っていたおばあさんは彼と言葉を交わしはじめた。これもまた内容は覚えていない。 なぜだか、そのカウンターの整頓された書類の上に乗せられた焼き芋が酷く私の目を奪って離さなかった。
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