ハイスペに囲まれた平凡野郎が、はじめて恋をした話

@sakusaku16868

第2話

「おいお前いい加減にしろよ!!」


バンッ!!!


職員室に響く怒号と机を叩く爆音。


一斉に視線が俺のもとに集まる。


「赤点取った上に授業のプリントを失くしただと?そんなんだからいつまで経っても成長しねぇんだよ!」


「……失くしたというか…先生が去年、もうこのプリントは使わないって言ってたから……」


「言い訳すんのか?おい。去年の授業のプリントだからって捨てんのか?お前その授業の単位が取れてねぇから今年また試験受けてるんだろ!そんな奴がプリント捨ててるんじゃねぇよ!」



再びバンッと机を叩く。



俺は顔を真っ赤にしてブチ切れている目の前の担任を、軽蔑するように見下していた。



「なんだよその目は……文句あるのかよ!?」


「いいえ。」


「いいえじゃねえだろ!その舐めた態度は何なんだって聞いてんだよ!」


「……舐めてないです。」


「舐めてんだろうがよ。あ??」



こいつ、こんなヤクザみたいな口調でよく教師が務まってるな。


周りの先生たちもこいつがヤバイことを知っているのか、誰も俺らの会話に入ってこない。



……ていうか、大の大人が中学生相手にこんなに感情的になってどうすんだよ。



(あーあ。……また昼休み潰れたよ。)



そんなことを考えながら、俺は職員室の時計を見上げていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る