第2話

「おいお前いい加減にしろよ!!」


バンッ!!!


職員室に響く怒号と机を叩く爆音。


一斉に視線が俺のもとに集まる。


「赤点取った上に授業のプリントを失くしただと?そんなんだからいつまで経っても成長しねぇんだよ!」


「……失くしたというか…先生が去年、もうこのプリントは使わないって言ってたから……」


「言い訳すんのか?おい。去年の授業のプリントだからって捨てんのか?お前その授業の単位が取れてねぇから今年また試験受けてるんだろ!そんな奴がプリント捨ててるんじゃねぇよ!」



再びバンッと机を叩く。



俺は顔を真っ赤にしてブチ切れている目の前の担任を、軽蔑するように見下していた。



「なんだよその目は……文句あるのかよ!?」


「いいえ。」


「いいえじゃねえだろ!その舐めた態度は何なんだって聞いてんだよ!」


「……舐めてないです。」


「舐めてんだろうがよ。あ??」



こいつ、こんなヤクザみたいな口調でよく教師が務まってるな。


周りの先生たちもこいつがヤバイことを知っているのか、誰も俺らの会話に入ってこない。



……ていうか、大の大人が中学生相手にこんなに感情的になってどうすんだよ。



(あーあ。……また昼休み潰れたよ。)



そんなことを考えながら、俺は職員室の時計を見上げていた。

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