ピクチャーモデル

天川裕司

ピクチャーモデル

タイトル:ピクチャーモデル


毎朝、公園を歩いていると、

とても可愛らしい女の子が居る。

通勤の時、プライベートでウォーキングしてる時など

その子を楽しみにここへやって来る。


「あ、また居た♪」

その子は決まって公園に椅子を持ってきて座り、

そこで絵を描いている。

俺は絵にはほとんど興味が無かったが、

その子には興味がある。

抜群にカワユイ。俺のもろタイプの人。


「はぁ〜あんな子と知り合えたらなぁ」

ただ横を通り過ぎて行くだけ。

俺の事をあの子が知らないのはもちろんのこと、

俺もあの子の事をほとんど知らない。

ただの他人。

これがやっぱり悔しい。残念だ。


でも元から奥手な性格の俺。

あきらめるしかない。

それなら余り深く知り合わないほうが得策だ。

知り合えば知り合うほど、心の中から

その相手を追い出すのが厄介になる。


と思っていたら、

知佳子「あの〜ここ、いつも通られてる方ですよね?」

「えっ??」

いきなり声をかけてくる人が居た。


その人はなんと、あの絵を描いている

抜群に可愛らしい子の友達だったらしく、

いつも俺がここを通り掛かりながら

あの子をチラチラ見てるのを

どこかで知っていたらしい。

それで声をかけてくれたのだ。

彼女の名前は知佳子さん。


知佳子「やっぱり♪あのー、もしよろしかったらで良いんですけど…」

「ええっ?!ボ、ボクがモデル!?」


知佳子「ええ♪あの子、ユミってんですけど、今度、品評会に出す絵のテーマの事でちょっと悩んでるんです」

知佳子「それであなたにもしよければ、ご協力して頂けないかと思って。私も彼女に協力して、今モデルになってくれる人を探してるんですよ」


信じられない。

俺が彼女の絵のモデルに!?

って事はこれで彼女との接点を持つことができる?

そこまでを瞬時に考えた俺は、即刻OK。

て言うかそれしか考えなかった。


知佳子「わぁ♪どうもありがとうございます♪」

それから俺はユミさんにも紹介された。


ユミ「まぁ本当に?なんとお礼を言えば良いか♪本当にありがとうございます♪」

「いえ!お礼なんてそんな!僕の方からよろしくお願いしたい気持ちですよ!」


やったやった!ウハウハだ♪

それから俺は彼女の絵のモデルになるべく、

彼女の家に招待された。

2階の部屋に彼女のアトリエもある。


その前に軽くランチをご馳走される事になり、

ユミ「どうぞ召し上がって下さい♪あ、ご報酬は別にお渡し致しますので」

なんて、願ったり叶ったり、

至れり尽くせりの対応までされていた。


後日。


知佳子「ユミ♪今度の絵、もう出来た?」

ユミ「そんなすぐに出来たりしないわ」

ユミ「でもモデルがずっと居てくれるからいつでも描けるし、まぁもうすぐ仕上がるかな♪」


アトリエのドアがバタンと閉まった。


動画はこちら(^^♪

https://www.youtube.com/watch?v=pZ30f3aMXms

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ピクチャーモデル 天川裕司 @tenkawayuji

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