第5話 期待は広場にある
あ、広場の向こう側から歩いて来たのは、
あの人だわ。
奥さんと小さな子供さんを連れている。
後ろからは娘さんなのかしら?
赤ちゃんを抱っこしながら一緒に歩いてる。
そうよね、当たり前だわ。
大学に入る為にこの町を離れてたあと、
そっちで就職したって、結婚もしたって
同級生のナオコが教えてくれたじゃない。
最近になってあの人がこっちに戻ってきたとナオコが教えてくれた。
どうも良くない病気で、ここでの暮らしを
決めたらしい。
聞いた時には驚いたし、気になって仕方なかった。
彼の家は知ってたから、なんとなーしに
散歩コースにしちゃった。
そっと彼を見た。
老けたわね、でも面影が残ってるわ。
ハンドボール部の花形選手で頭も良かったからの女子の憧れだったもの。
がっしりと筋肉がついた体は、、、。
今は一回り小さくなっていた。
彼は猫を飼っていた。
猫にハーネスを付けて一緒にお散歩。
猫と散歩なの?
うちにも猫がいるから嬉しかった。
何気なく隣をすっと通り過ぎる、ただ、それだけで胸が高鳴った。
それだけで良かったのに、、。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます