第4話 冒険者登録をした。

 前衛は、詠唱時間を稼ぐ為の前衛とも言われている。なので体力、防御力、攻撃や身動きを取れなくするために、押さえつける力が必要だ。

 前衛は最強なイメージだが、前衛だけのパーティは珍しい。中級レベルの魔物の討伐止まりが一般出来だ。前衛は支援魔法が無ければ、魔物や魔獣のランクが上がってくると剣が通用しなくなってくる。

 

 魔術士の方は通常は、低級の魔物止まりになってしまう。中級レベルの魔物相手に、逃げ回り詠唱が出来るわけがない。魔術士が中級の魔物相手を押さえつけ、詠唱を出来るわけがない。


 だけど俺達は、無詠唱なので前衛は不要っぽいな。こっそりと転移をして人が居ない場所で、上級魔法を無詠唱で放てるか実験した事があって成功してるし。


 初パーティでの魔物の討伐は大成功で、アリアの無詠唱を知れたし、アリアとパーティを組めて嬉しい。



翌日……


「ユウくん。さっきね〜魔物の討伐を友達に誘われちゃった。でも〜ユウくんとパーティを組む事にしたって言って、断っちゃった〜♪」


 

 嬉しそうに笑顔で話してき、褒めて欲しそうな感じでニコニコして見つめてくる。



「アリアは、やっぱり人気があるんだな」



 そんなアリアの頭を撫でて褒めて、アリアをパーティに入ってくれたことに感謝した。

 

「そんな事ないよ〜。多分ね、魔術士が居なくて仕方なくじゃないかな〜」

 

「他のパーティに行くなよ?」

 

「大丈夫だよ。えへへ……♪ わたしはユウくんと! って決めたしぃ」


 

 アリアとパーティを組んでいて、何の不都合もなく楽しく魔獣と魔物の討伐の練習をしていた。だいぶ自信を付けたので、アリアの勧めもあって冒険者ギルドへ登録をしに行く事にした。


 ちょっと不安に思っていたけど……魔力測定やレベル測定を警戒していたけど、そんなのは無かった。


 この世界は、依頼の達成するとポイントが入りる仕組みらしく。強さやレベルでランクが決まるのでは無く、依頼達成の実績でランクが決まると説明を受けた。


 強さでランクを決めてしまうと、いきなり高ランクの難易度の依頼を受けてしまい、死亡する例が多かったらしい。


 そりゃそうだろうな。高報酬の依頼を受けられるのであれば、高額の報酬、高ポイントが欲しいと考えるだろうな。特に何も考えていない人が多そうだし……死んでしまう人が多くでそうだ。


 依頼の難易度によってポイントの数が変わるらしいが、冒険者ランクにあった依頼しか受けられないので、安全性を優先をしたシステムになっているらしい。


 冒険者ランクは、SS、S、A、B、C、D、Fと7段階にランク分けされていた。


 Fランクは、子供の冒険者予備軍らしい。なので簡単な村の清掃や薬草採りをして、報酬が貰えてるがポイントは貰いない。登録していれば薬草を買い取ってもらえる。

 さらにギルドに出入りをするので、冒険者の知識も勉強できて、現役の冒険者に名前を覚えてもらうチャンスがある。もし気に入ってもらえればパーティに誘ってもらえるかもしれない特典付きだ。


 Dランクは、駆け出し冒険者で、正規の冒険者となり薬草採り、低級の魔物の討伐やお金持ちの屋敷の門番や警備の依頼を受けられるようになる。だが中級の魔獣や魔物を討伐してもポイントは付かないが、買い取りはしてもらえる。


 Cランクは、中級レベルの魔物の討伐や商隊の護衛などの依頼を受けられる。冒険者で一番数が多いランクらしい。


 Bランクが、上級の魔物や魔獣の討伐が受けられ色々な依頼が受けられるようになる。数が少ないので指名依頼も来るようになる。だがBランクになれるのは難しいらしく、実技試験もあると聞いた。上級冒険者というのはBランク以上の冒険者を言うらしい。


 Aランクは最上級冒険者と呼ばれ、王国でも数が少ないらしい。


 Sランクは、英雄級で数は不明で名前の通り、英雄的な存在で憧れの的だ。


 SSランクは、伝説で過去に数人しか存在していない歴史上で有名な冒険者ばかりだ。


 因みにアリアも一緒に登録を済ませて、Fランクの冒険者の予備軍になってレベル上げとお小遣い稼ぎをするらしい。

 

 俺はDランクになったので、薬草採りのアリアの護衛でもしよっかな……。薬草採りの最中は薬草採りに夢中になってしまい、周囲の警戒を忘れて無防備になりやすいし。魔物や魔獣を倒して、魔石をギルドで買い取ってくれてお金にもなりポイントも付くし、良いお小遣い稼ぎにもなる。


 冒険者ギルドに登録をしたから、魔石や素材を売れるようになったし、過去に魔物を大量に討伐した魔石が手付かずで収納してあるのを売るかな。

 

 家に帰ると、家の前を彷徨いているシャルを見掛けた。なんだ? 今更、何か用か? とても面倒な予感がする……


 もう既に、どうでも良いと思えてきてるし……ヤキモチもなくなっている。他の男子と仲良くしてようが付き合い出したと聞いても大丈夫だ。


 

「なんか用か?」


 

 シャルに声を掛けて、家から少し離れた倒木を椅子にして、並んで座り話を聞いた。


 

「あ、ユウくん……あ、あのね……」


 

 は? ユウくん? ユウヤって呼んでただろ? しかも恥ずかしそうにしているのか?


 

「わたし達って、パーティだよね?」


 

 いつの話をしてるんだよ? 冒険者を諦めたんじゃないのか? 俺が森で魔物の討伐をして、アリアとの連携を二人で考えて悩んでる時、男子と仲良く遊んでたんだろ? 今更、勘弁してくれよ……シャルが入ると今まで、上手くいっていた連携が狂ってしまうだろ。


 

「は? 違うだろ……」

 

「え? でも約束してたよね?」

 

「してたけど……。シャルは誘いに来なかったし、男子と楽しそうに毎日、遊んでただろ? 冒険者をやめたと思ってたけど?」

 

「だって……あんな恐い思いしたんだよ? 魔物の討伐は、直ぐには出来ないよ……。それにユウくんに会うのが恥ずかしかったし」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る