第12話

 ーー夏秋 夏希ーー


 やばいよぉ!

 全く勉強に集中出来ない…。

 いつもはしっかり集中できてる。けれど今日は、集中出来ない…。


 そして、さっきから心臓の音がうるさい。


 隣の席で授業に集中している相馬くんに、聞こえちゃうじゃない!


 ドク、ドク、ドク、ドク、ドク…

 あぁぁ!!静かにぃ!!私の心臓ぉ!!


 隣をチラッと見てみる。相馬くんは、先生の話を聞いていて、こちらに気づいていないようだ。


 聞こえてないね。良かったぁ!

 それと同時に、胸の辺りでモヤが渦巻く。


 相馬くん、私になんの興味も無いのですか?


 いやいやいや!今は、授・業・中!

 授業に集中しないといけないから私がダメなの!!


 今日の夜ご飯、楽しみだなぁ…。



 ーー河上 相馬ーー


 やばい。さっきから心臓がうるさい…。

 この理由はおそらく、今日の夜ご飯を夏秋さんと食べることになったからだろう。


 今思えば、あの時よくクラスのヒロインである夏秋さんに夜ご飯を誘ったな。


 30分前の自分、凄すぎる…。


 時間が進むのが遅すぎるよ…。

 夜ご飯何にしようかな?ここで、カレーライスは、センスないかな?

 あぁぁ!!決めれないよぉ…!!


 夏秋さんの方を横目に見てみた。

 凄く真剣な顔だな…。そんなに勉強熱心だなんて、僕も見習わないとだな。



 5分後。


 話を聞いているのに、すぐに頭から抜け落ちてしまう。

 けれど、僕はこの高校に転校する前に少しだけ予習をしてあるから、問題をは出来る。


 難しい内容のところだったから、予習しておいて本当に良かったと思う。

 2週間前の僕、ナイス!


 授業に集中出来ないとなるとどうしようか…。

 ノートに落書き?いやいや。僕絵下手だろ。

 寝る?う〜ん。授業態度はいい方が、大学受験に繋がるからな…。それに、今は眠くない!


 う〜ん……。


「あ!」

「「「「「………」」」」」

 ババっと、クラスの視線が僕に集まった。


 どうして!?


「お、河上。この問題分かるのか。難しいのに凄いなぁ」

「へ?」

「ほら。答えてみろ」


 黒板を見てみる。なんだ、これ……。

 分からない。

 超難問だろこれ。どう考えても、答えにたどり着けない。


「あ〜、う〜」

 適当に母音を並べてみる。

 こんなんで答えが分かるはずがない。最初から分かってたよ。うん。


「すいません。分かりません」


「はぁ…」

 先生。ため息めっちゃ聞こえますよ〜!?


「他に、この問題分かるやついるか?」

「はい!」

 その、ハッキリとした声は左隣から聞こえてきた。

 慌てて横を見ると、夏秋さんが手を挙げていた。

 やっぱり夏秋さんは、凄いなぁ。学力もトップクラスなんだろうな…。


「夏秋!」

「先生。その問題書き間違いをしていませんか?」

「あぁ?間違えてね…、…、……。夏秋、河上、すまん」


「「「わははははは」」」

 教室中で笑いがおこる。


 嘘だろおい!僕が分からなかったのではなく、問題が間違っていたのかよ!

 けれど、この間違いにもちゃんと気づかないとだな。


 それから、授業に集中出来ないまま2時間が経った。

 僕は今、家で買い物に行く準備をしている。正直何を作るか決めていない。


 そして、まだ僕は料理に慣れていないので、難しい物は作れない。


 ……詰みだ。


 まだ諦めるな相馬!

 スーパーに行けばきっといい料理が思いつくはず!


 そう思い、勢いよく部屋の扉を開けた。


「いやっ…」

「す、すいません……。夏秋さん!?」

「あ、あぁぁぁ。相馬くん、違いますからね?これは、買い物から一緒に行きたいとかではなくてですね?たまたまここを通りかかっただけですからね?」


 夏秋さんが珍しく慌てている。


「夏秋さん、言っちゃってるよ?」

「あわわわわ!相馬くん。女の子をいじめたらダメでしょ!?」

「いじめてねぇよ!!」

 慌てて僕は、ツッこんだ。


 僕達はお互いの目を見た合った。

「「……」」


「ははは!」 「ふふふ!」

 僕達は、部屋の外だと言うのに大きな声で笑い合った。


「じゃあ夏秋さん。買い物も一緒に行くか?」

「い、行きますっ!」


 僕達はスーパーに行く道中、特に何も話さなかったが、気まずいとは1ミリも思わなかった。


 なぜなら、僕の心臓が大暴れしているからだ。

 夏秋さん、少し化粧をしていていつもより可愛い。こんな所をクラスの誰かに見られたら色んな意味で、絶対やばい。

 理由はこんな感じ。


 深呼吸をして、少しでも心を落ち着かせよう。


「夏秋さん。好きな料理ある?」

「好きな料理ですか…。パンケーキですかね?」

「よし!今日の夜ご飯はパンケーキだ!」

「いいんですか!?」


 夏秋さんが目を輝かせてこちらを見てくる。

「いいよ?むしろ何にしようか迷ってたから好きな料理教えてくれてほんと助かる」

「ほんとですか?良かったです!」


 それから、僕達はパンケーキの材料と、ジュースを買ってマンションまで帰ってきた。


 あ…。

 部屋の中に入る人は、両親を除いたら夏秋さんが初めてだ。

 なんか、緊張してきた。変なものが床に落ちてないよな…?


「お邪魔します」

「おぅ」

「わぁ。綺麗ですね」

 ん?僕の心にある失礼センサーが反応したぞ?

 ……気のせいかな?


「よし!手を洗ったら早速パンケーキ作るか!」

「はい!そうですね!相馬くん頑張りましょう!」





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すいません!

テスト勉強をしていたら

予定より25分遅れてしまいました。


けれど、頑張って書いたんで良かったらフォローお願いします!

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