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    恋に落ちる観覧車への応援コメント

     物語に正解も不正解もないことは知っているのですが、三嶋さんの小説を読むと「これが正解だ」といつも思います。限りなく完璧に近い。きれいな数学の問題を解いてるみたいに、読み終わるのが楽しみで、その過程もすべて面白かったです。
     言う機会がなかったことを、ひとつ。三嶋さんは「読者を意識する力」が飛び抜けていると感じています。タイトルや紹介文などもすべて、私がどう捉えるのかわかっているようです。今作でも、青く埃っぽい恋愛とホラーを行ったり来たりする構成に、常に揺さぶられ続けました。
     そんな中、読者にとっての希望は「私、好きな人がいるんです」という、序盤に出てきた後輩のセリフではないでしょうか。ホラー展開の渦の中を、この言葉を胸ポケットに読み進めました。すべてが最後に告白する口実だったらいいなって。
     しかしそこも三嶋さんの手の上です。呆気なく、素敵なヒロインの正体が明らかになり、私の希望が崩れ落ちてしまう。そこから怒涛の伏線回収が始まり、バタバタと心が倒されていき、読み終わった時には、ぽかんとひとり、駅のホームにいました。
     こうして読むと、三嶋さんの物語は「謎を解いていく」ことに向かっているのですね。私はまったく反対で「謎を作り出そう」とファンタジーを書いているため、カルチャーショックを受けました。とても勉強になります。
     緻密に作られた素敵な作品をありがとうございました。

    作者からの返信

     恐れ多いお言葉の数々、本当にありがとうございます。
     エンタメに振り切った小説だと、作者が正解を描くこともありますよね。最近は純文学に関心があり、謎を残すような書き方がいいなと感じています。しかし、きれいな数学の問題という喩え、大変光栄です。
     タイトルはいつも悩んでしまって上手く付けられないことが多いですが、今作に限っては例外で、すっと付けることができました。彼らの関係性が、青く埃っぽいものに映っていたようで、嬉しく思います。
     登場人物が二人なので、紅々李おまえ絶対「俺」のこと好きだろって感じですよね笑。伏線回収もお褒めいただきほんとうにありがとうございます。駅のホームで読んでくださったのですか? なんだかノスタルジックですね。
     秋冬さんの謎を作り出す作風、とても素敵だと思っています。私もそのような小説を書いてみたいです。
     この度は作品を読んでいただき、また懇切丁寧なコメントまで書いていただき、本当にありがとうございました。この作品が報われました。読みながら終始にやけっぱなしでした。