第19話取引

「お前、人体蘇生をしただろう?」「・・・・・・」冷や汗をかいた。

 尋常なない量の汗が、体中に流れる。「何で?」思わず出た言葉が

 何で?だった。ドット大佐は、自身が座っている。椅子を前に

 傾け。私の顔を見つめる。「匂いだよ」「匂い?」「あぁ、ベルトは

 匂いに敏感でなぁ。お前と一緒にいた。あの子の独特な死の

 匂いに。ベルトは反応したんだ」ベルトって、ドット大佐が

 いつも一緒にいる。あの二ホンオオカミの事を言っているのか。

 「今日は、一緒じゃないの?」「いや、ここは病院だから。おとなしく

 外で待ってるよ」院内に、動物は衛生的入れない。だから、ドット大佐は

 一人なのか。そんなどうでもいい疑問は置いといて、私は、緊張気味で

 ドット大佐に尋ねる。「私をどうするの?」まずは、自分がどうなるのかを

 聞いてみた。「そうだな。錬金術での三大禁忌の一つである。人間を作っては

 ならないに該当している。だから、お前は国家錬金術の資格は剥奪される。

 そして、お前はとりあえずは刑務所にぶち込まれる。その後の処罰は

 たぶん。国外追放かもなぁ」淡々と、私の処罰の内容を言ってくる。

 自分が、どうなろうと正直どうでもよかった。それより、私が気になるのは。

「フランヌは、どうなるんですか?」私が、錬金術で蘇生させた。フランヌの

 処罰が一番気になる。「あぁ、そうだな。恐らくは、一旦はお前と一緒に

 刑務所にぶち込まれる。その後は、そうだなぁ・・・・・・。悪趣味な

 変態研究者のおもちゃにされて。その後は、消されるかもしれないかな」

「はぁ?消される?」「あぁ、二度目の死って言った方がわかりやすかな?」

首を傾げる。その淡々とした。話しかたをする。この男を今ここで、殺さば。

フランヌは、変態研究者の渡らない。ベットの近くにお見舞いのフルーツの

盛り合わせ。果物を切るように、ペティナイフが私の目に留まる。

ペティナイフ《これ》を使えば。この男の喉に刺せば。そうすれば・・・・・・

私は、左手を少しずつ。ペティナイフの方に滑らす。ドット大佐に

 感ずかれないように。少しずつ、少しずつ左手を伸ばす。すると、ドット大佐は

 自分の手を私の左手を強く掴む。これが、少女恋愛小説なら。恋に落ちる

 きっかけになるだろう。だけど、そんな事には当然ならなくって。

「俺を今ここで、殺すのはまずいんじゃないかい?」すでに、私の行動は

 気づかれていた。「あんたがい無くなれば。私とフランヌは生きられる」

 心の底から。私は、そう思っていた。だけど、ドット大佐は私の幼稚な考えかた

 より。最も大人的なやり方を口にした。

「メアリー・ケイシャ。俺と取引をしないか?」「取引?」ドット大佐は、私の

 左手を掴んだまま。私に取引の内容を口にした。「お前の人体蘇生の件は

 俺が上に報告はしない。そうすれば、お前と人体蘇生した。お前の彼女は

 助かる。その代わり。俺の為に、働いてもらう」「どういう意味ですか?」

 疑いの眼差しで、私はドット大佐を見つめる。「軍に居ても。裁けない事が

 多くある。悲しいが、それが現実だ。錬金術師になっても。それは曲げることは

 できない。だが、お前みたいな。お前は、俺たち軍の代わりに。その裁けない

 案件をやってくれる人間がいれば。この国は、変われると思うんだ」

 真剣な眼差しをしていた。綺麗な黒色の瞳が、私の目には輝いて見えた。

「まぁ、要するに。お前は、軍の犬になって。主人のために、

 狩りをしてもらいたい。そういう訳だ。錬金術を駆使してなぁ」この男は、

 話すことを。私は、半分も理解してはいない。けど、この男のいう事を聞けば。

「私とフランヌは、一緒になれる。ってことでいいですか?」私が、ドット大佐に

 自分の理解が、合っているのか。そう尋ねると「あぁ、そういう解釈でいい」

 と言ってくれた。よくわからないけど。この男のいう事を聞けば。私は

 フランヌといつもでも一緒にいられる。そんな未来が来るなら。

「どうする?」「あなたの取引に応じます」私は、ドット大佐の取引に

 応じた。全ては、フランヌと一緒になる為に。私は、愛の為に。

 戦うと決めた。そんな昼下りの病院での一コマだった。

 

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