第6話 叔母の貴子と和聖の逢瀬
和聖は貴子を部屋に呼ばないようにしていた。その理由は万が一、千寿と鉢合わせしたらマズイと思ったからだ。
貴子とはお互いの中間にある駅前で待ち合わせをすることにした。夏休みも終わった週末の日差しが強く、立っているだけで汗がダラダラと流れる暑い日だった。待ち合わせの駅に先に到着した和聖は、改札口が見える駅前の木陰のベンチに座って貴子を待っていた。
しばらくして貴子が改札口から出てきて、和聖と目が合うと恥ずかしそうに小さく手を振りながら笑顔でこちらに向かって歩いてきた。ノースリーブの膝丈のニット地のいつものミッソーニのワンピースにパンプスだった。色っぽく美容師らしいセンスの良い雰囲気を漂わせていた。
和聖が「少し歩こう」と言い並んで歩き始めた。貴子はこれからの予定や行き先などは聞いてくることもなく、彼の大学生活やアルバイトなどの話をしながら暫く歩いていた。
「この街には良く来るの?」
「いや、初めてだよ」
和聖はホテルがあったら入ろうとは思って歩いていたが無かったので、ただ歩みを進めていただけだった。徐々に人通りの少ない道に入っていき、公園の前を通った時に大きな木の横で和聖は貴子を抱き寄せてキスをした。彼女も彼の首に腕を回して激しく唇を重ね、舌をねじ込んでいた。
二人は間違いなく興奮状態でそのまま公園伝いに歩き、角を曲がると昔ながらの連れ込み旅館があり、ふと会話が途切れたタイミングで、彼は彼女の腰にそっと手をまわし入った。仲居の案内で部屋に入り、和聖は千円札を小さく折って彼女に渡すと、一礼して部屋から出て行った。
「チップを渡すのは誰に教わったの?」と貴子は意地悪な質問をした。
「小説だよ!」とぶっきらぼうに答えた和聖だった。
彼女は慣れない様子でキョロキョロとあちらこちらを見回していた。欲望の我慢が限界に達していた彼は、後ろから抱き着くと彼女は少し驚いたような反応をしたが、黙ったままジッとしていた。暫く二人は愛を交わしていなかったので、この日の彼は彼女を満足させることに徹底した。
後から知ったことだが、貴子への口淫は和聖がするまで、誰にもされたことがなく、いつも拒否していたとのことだった。あの女好きの叔父にもされたことがなかったとのことで優越感を持っていた彼だった。そして今は貴子を一人にして他の若い女性の所に行き浸りにしていることで余計に彼女を不憫に思っていた和聖だった。
自分の伴侶を満足させた上であれば和聖も男だから他の女性に目が行くのは仕方ないと思い、叔父は貴子に対して失礼千万だと思っていた。彼はそんな男にはならないと、この時に決めた。
ただ、和聖は両親から嫌われていて、優しくはされてこなかった。そんなことを知っていた叔父は彼の弟たちよりも特別に優しくしてくれていた。だからこそ、そんな優しい叔父が何で愛した妻を大切にできないのかが不思議であり、それだけに嫌悪感があった。
事が終わり、貴子がシャワーを浴び始めたタイミングで後を追い、和聖も浴室に入っていった。一般家庭より広めのタイル張りのひんやりする洗い場で彼女はシャワーを浴びていた。彼が入っていくと、少し驚いたような様子で恥ずかしがり反対側を向き、体を隠すようにした。
「叔母さんのこの体は俺のモノだからね」
「私は和ちゃんだけの女よ」
一緒に浴槽に入って体を温めながらディープなキスをした。
「私をいつまでも可愛がってね」
「一生大切にするから」
その日はその後、旅館を出てレストランで夕食を共にして小遣いをもらい駅で別れた。
※ ※ ※
また別の日、貴子から会いたいとの電話がきて、前回と同じ駅で待ち合わせすることにしようと話すと、貴子は車を買ったから見せたいと言われ、車の方が便利なので来てもらい、車種や色そしてナンバーを聞いた。
待ち合わせ当日。以前に待ち合わせをした駅の改札を出ていくと、既にロータリーの片隅に、聞いていた車がハザードランプを点けて停車していた。窓を覗き込むと運転席に貴子が座っていたので、和聖も助手席に乗り込み、せっかくなので前回とは違う旅館ではなくてラブホテルに行くことにして、彼女の運転で車を走らせた。
信号待ちで、スカートの上から貴子の太腿に手をのせると、彼女は両手でハンドルをしっかりと握って正面を向いたままで信号が青に変わると、「運転中は危ないから!」と言って和聖の手をどけた。次の信号待ちではスカート中に手を入れて太腿の内側を撫でた。
やはり貴子は信号が青に変わるまでは、前を向いたままジッとしていたが信号が青に変わると黙って彼の手をどけた。そんなことを繰り返しながら、たどり着いたラブホテルまで移動し部屋を適当に決めて入るとすぐに貴子は和聖の首に腕を回してキスをねだり、息遣いも激しいもので、そのまま彼の前で跪き、スラックスのベルトを外して一気に脱がしていつもの流れとなった。
前回の貴子も相当、興奮していて、今まで見た事もない姿を目のあたりにして驚きを隠せなかったが、今回も同じように最初から興奮が最高潮になっていた。その後は二人で全裸になってシャワーを浴びた後はベッドで心行くまま交わり貴子は凄い声を上げて達した。
ピロートークでは叔父の話になり、女と別れてまた貴子の元に戻って来たとの事で夫婦の営みを迫られたが拒んでいるとのことだった。和聖の本心を貴子に話した。「叔母さんも知っていると思うけど、俺の両親は夫婦仲が悪いので一緒に生活しているのが嫌で堪らなかったんだ」
「うん。それは何となく感じていたわ」
「だから俺との関係を優先するのではなく折角、結婚したのだから叔父さんとの夫婦関係をまた良好にしてほしいんだよ」
「分かったわ」と言った貴子はいつになく和聖の目を真剣な眼差しで見て、「そうするから、和ちゃんとの子供が欲しいの。そうしてくれるんだったら、あの人と仲良くして夫婦生活をするから」とまさに青天の霹靂の言葉だった。
学生の和聖としては余りにも重過ぎる話しで頭がクラクラしたがその日はそれ以上の話はなかった。その後はホテルを出てレストランで食事をして次回逢う日を決めて小遣いをもらい駅まで送ってもらって別れた。
※ ※ ※
また別の日。いつもの駅で貴子と待ち合わせをしていると、車をロータリーに停めようとしたと同時に和聖が近付き助手席に乗り込んだ。ラブホテルの部屋に入るとすぐ、貴子に正面から抱き付きキスをすると、そのまま受け入れた。
貴子のスカートを捲り上げようとすると服が皺になったら困るから脱ぎたいと言われた。仕方なく背中のファスナーを下ろすところまで手伝うと貴子は自分で服を脱ぎ始めた。服はきちんとハンガーに掛けていて、その間に彼も自分の服を脱ぐがその辺に脱ぎ散らかすと彼女が畳んで置いてくれた。
同じように大家の千寿の所作も貴子同様で大人の女性の良さはこういうところかもしれないと思って見ていた和聖だった。彼が全裸なると、上半身が赤いキャミソール姿の貴子が、黒いストッキングを脱ぎ始めるタイミングで、その中から見えてくる白い肌とのコントラストがなんとも艶めかしかった。
キャミソールも脱ぎ黒色の下着姿になると和聖の方を振り返ると、彼の心の中は盛り上がった。貴子をベッドの上に寝かせ、そのままお互いの体を重ね合った。老若男女関係なしに姿勢が良いとスタイルも良く見えるし若くも見える。彼女は美容師をしていたので、背筋が凛と伸びて姿勢の良い女性だったことからどんな服装でも魅力的で素敵な女性に見えた。
そんなキチンとしている貴子が淫らに乱れる姿は中毒性があり恍惚としたものだった。これは貴子と大家の千寿の共通に言えることで和聖は熟女が好きで、学生時代は大学の若い女性たちに目が全くいかなかった。
貴子とはその後、激しく交わり何度も絶頂の単語を張り上げていて、この日ばかりはいつもと違って、鬼気迫る顔で「お願い、今日は中で!」と懇願された。和聖は自身の子を孕ませることに覚悟してしっかり迸った。この日、貴子は満足した顔をしてベッドで逆立ちをして壁伝いに身体をそわせていた。
「叔母さん、その格好は?」
「こうすると子宮に和ちゃんのが入るの」
「へぇ、そうなんだ」と言ったものの、和聖の気持ちは複雑だった。
その後のピロートークでは、叔父が出張をした日に和聖の父親が貴子の部屋に行き関係を迫ったとのことだったが、彼女は頑なに拒否し、「このことを
父の悪い癖で母の友人や近しい女性ばかりに手を出すので、いつかはこうなるのではと和聖は思っていたので貴子に父の悪い癖の今までの失態を話し、くれぐれも気を付けるように言った。彼女は今後、実家に遊びにも行かないし母に頼まれても泊まらないと言った。
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