第22話 後悔と不安

放課後、俺は歩きながら後悔していた。


もちろん、木滝さんの家に泊まることに関してだ。


今は服を取りに行くということで、いつも通り家に向かっているのだが、よく良く考えれば色々と問題があることに気づいた。


まずは風呂に関して。

もうダメ。

これがダメ。


もし、俺が木滝さんの着替えにばったり会ってしまったら、切腹は免れないと思うべきだと思う。


次に、寝る場所だ。


これは昼休みに話し合ったのだが、俺は床でも寝れると主張したのだが......





『ダメ! せっかくのお客さんみたいな感じの人だもん。そんな雑な扱いできません!』


木滝さんは胸の前で腕をバツ印にしてそう言った。


『それじゃあ俺の寝る場所は......?』


『私のベッド』


それもマズイ気もするが......

だが、そうなると......


『え? それじゃあ木滝さんは......?』


『私のベッド』


『え? それじゃあ......?』


木滝さんがスラッと恐ろしいことを言った。

もし、聞き間違いじゃなければそれの意味することは......


『うん、一緒に寝る......』





なんか最後は顔を赤くしてたけど、そんな感じになるなら提案しない方が良かったのでは? そう言いたくなるほどだったが、言えるわけがない。


他の男子生徒からしたら、こんな状況になること自体がご褒美だと思う人もいるかもしれない。


だが、俺からしてみれば、話せる程度までは仲良くはなったが、それでも俺はかなり頑張って話している。


確かに嬉しさは無いと言えば嘘になる。

ただ、それ以上に......多分きつい。


後悔したり、今後の心配をしていたら、いつの間にか自身の家の前まで歩いていた。


まだ色々考えたいことはあるにはあるが、ひとまず、木滝さんを待たせないために服や歯ブラシなどの必要なものを詰め込みに、家に入ることにした。

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