ピアノの音色は恋を呼ぶ

ばろんさん

序章 夢

「……またか……」


夢を見た……それも最悪な夢だ。

すぐにでも忘れたい、過去の夢。


自らの前で血を流し、絶命する両親。

自らの行いに焦り、電話をする加害者。


その事故の酷い状況がどうしても脳裏に焼き付き、その記憶は俺の頭から消えない。


外はまだ薄暗く、朝の静けさが感じられる。時計を見てみると、時刻はちょうど6時26分。学校に行くために準備する時間だ。


「......あー、学校めんどくせぇ......」


......まだ、心臓がドキドキしているのを感じる中、そう独り言をつぶやいた。

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