-

第12話

哀れで愛おしい小春。



「愁くんっ…」



縋るように俺の首に巻き付けられた白い腕。それと同時に見た白い膨らみと桃色の突起は、俺の欲情を掻き立てる。



これから俺に犯されるというのに、穢れを知らない小春は愛おしそうに俺の名前を呼ぶ。



どうしようもないほど愚かだ。



だけど、俺の心を独占欲と支配欲で黒く染めてしまうほど、愛おしい。



白く陶器のような肌。抱き潰せてしまいそうな細い腰。シーツに散らばる黒髪。俺を見つめる大きな瞳。何度も貪った血色のいい柔らかな唇。



「全部、俺だけのものだ」



今ここで小春の心と体は完全に俺のものになる。



「ぁ…ん、しゅ…くんっ…」



首筋に舌を這わせて綺麗な膨らみを手で覆えば、小春は顔を赤らめ強く目を瞑った。感じたことのない刺激にきっと混乱しているんだろう。



それでも何も疑わずにされるがままな小春の中には、無意識のうちに俺への信頼と服従心がある。



「っん、ぁ…」



ゆっくり口内に下を這わせれば、クチュリクチュリと水音が響く。息継ぎが下手な小春の意識は朦朧としているのか、少し開いた瞼から見える瞳は視線が定まっていない。



最後の仕上げに俺の唾液を小春に飲み込ませれば、首にまわっていた小春の腕がダラリとベッドに落ちた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る