第75話

金具や衣服が擦れる音を聞きながら息を整えていれば、引き締まった体を晒した優くんがもう一度覆いかぶさってくる。



「優く、ん…も、ダメ…」



これ以上はおかしくなるから、すぐにやめて欲しい。そんな思いで見上げた優くんの顔は悦にまみれていた。



「煽ってんの?」



そんな言葉と共に、下半身にあてがわれた硬いもの。



「す、すぐ、る、く…」


「すごく可愛いよ、綾ちゃん」



力の入らない手で優くんの肩を押し返すけど、全く意味をなさなくて、ゆっくりと、少しづつ入ってくる。



「あ、ぁ、ぁ、…っすぐ、る、くんっ」



首を精一杯横に振っても、水音を立てて進むそれは止まらない。



疲れきった体に追い討ちをかけるように、奥まで挿れられたそれ。比例するように体の密着度が高まる。



私の顔の横に両腕をついた優くんは、離れてはくっ付いてを繰り返すように唇を重ね合わせながら腰を動かし始めた。



「ぁ、くる、し…」


「だーいじょーぶ」



硬いそれにゆっくりと揺さぶられ、呼吸も操られているようで苦しい。



少しも、大丈夫なんかじゃない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る