第24話

「優、お前なに考えてんの?」




鬱陶しい程に輝くネオンを遮るフルスモークの車内で、そんな怪訝な声が俺へ向けられた。




それに視線を移す前に横槍が入る。




「そういえば和樹この前の店潰しの時、外で優のこと名前で呼んだろ」


「あ?そうだっけ?」


「もっと気を付けろ馬鹿」


「あぁ!?馬鹿!?じゃあお前は阿保だな陽太!!」


「はぁ?意味わかんね」




よくある口論が車内に響く。


面白くもなんともないけど、今日は口角が上がった。




「わ、優が笑ってる…コワ…」




わざとらしく震える和樹へ視線を向ければ、陽太も俺を見つめてくる。




「優、俺も気になってんだけど」




あの女、どうする気なの?




さっきとは打って変わって空気が重くなるのを感じ、クッと喉で笑ってしまった。

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