北条からの援軍?
う〜ん。高天神城の小笠原氏助さんは武田に一度手渡すのは拒否か・・・。まあ自分の城をみすみす明け渡すとは嫌だよな・・・。
高天神城で迎え撃つか?いやあんな小さい城では兵はそんなに詰めさせれないな。
何か明け渡してもいいような飴を用意するか。そもそもこの小笠原さんは元々今川の将だったよな・・・どうしたものか・・・。
「暁様?こんな夜更けに何してるのですか?寝ないのですか?」
「あぁ小雪悪い。高天神城の小笠原さんが城を棄てる事を拒否したんだ。だから何か飴を与えて放棄してくれないかなと考えているんだ」
「一人の我が儘を通す時ではないと言うのに小笠原何某は時勢が読めない馬鹿ですね?そのまま小笠原何某を武田側へ寝返らせてはどうですか?」
「中々酷い事を言うな?っていうかそういえば今ってまだ徳川と北条は同盟してたのだよな!?」
「名目上はそうですね。ただどうでしょう?利害関係だけの同盟でしたからね?」
「だけど今川氏真だっけ?逃げる時に最後は徒歩で、早川殿も同じく徒歩で逃げる形になり北条氏康さんがブチキレして北条と武田が争いだしたんだよね?」
「さすが暁様!その通りです!」
北条に文を出してみるか?完璧にこれは俺のイメージだが北条はまだ話の分かる家のような気がする。それに小田原の治世は戦国随一と聞いた事あったが・・・。
「だけど武田って酷いよな。今川との同盟破り、一応織田とも同盟してたよね?明らかに敵対行動だからね」
「そう思うかもですが、同盟は織田であってこれは徳川領との戦です。それに義に厚いと言われていた上杉謙信ですら北条と今は同盟していますがこの武田の西上作戦に参加していますからね」
「まあそれこそあれじゃない?武蔵や伊豆、相模には攻めないから北条との同盟は破棄していないとか思ってそうだよね」
「まあ自分の事が大事ですからね?信忠様は思うところがあるのじゃないですか?松姫の事を考えてるかと思いますよ?」
「う〜ん。そこは今はどうにもできないよ。それは戦が終わってからの話だ。北条に話をしてみる?まあ別に俺達だけでも勝てるけど無駄な戦はしたくないしね。北条も俺達の事見て勝てないと思えば従属まではいかなくとも従うだろう」
「畏まりました。明日にでも文を届けましょう。日数的に余裕がありませんので優柔不断な北条家はどう答えるか。北条氏康自身も時間が残されてありませんからね」
「うん?なんでだ?」
「史実ではそろそろ脳卒中で倒れるところかと。それが原因で10月に亡くなりますよ」
「え!?そうなの!?さすがにそこまでは知らなかった。氏政になればまた武田と同盟回復するだろう!?だめだ。何か予兆はあるはずだろう?訪問するか!?」
「(クスッ)お好きなように!ここ2日程、暁様は生き生きとしていますね?過去を思い出しますよ!」
まあ確かにこの戦の前準備は嫌いじゃない。それなりに色々作戦を立てて、人を配置し、各方面に拠点を立て迎え撃つ。ゲームでは漁夫の利を狙っている陰の者がいっぱいいたがそれはこの世界では大丈夫だろう。
「会った事はないし義理もなにもないけどもう少し生きてもらおうか。アパッチにて明日俺が空から梯子で降りる。小雪?操縦頼めるか?」
「相手は驚くでしょうね?装備はちゃんとしてくださいね?多分向こうは攻撃してくると思いますよ?」
「大丈夫さ。要件だけ伝えてすぐに帰る。文も書いて、病気にしか効かない【エクスポーション】でも渡すよ」
「分かりました!明日頑張りましょう!」
次の日早朝から喜助や望月さんに戦車の使い方を平手さんの部隊に教えるように言って、俺は最上に戻った。
「おい?暁?どこへ行くんだ?」
「え?いや、最上に行くだけですよ?」
「怪しいな?奥方も一緒にか?」
勘が鋭い信治さんである。何もしてないように見えてこの人はかなり周りを見ている。小言などもよく言うが人心掌握が凄い。憎み口を言っても本当の事を言ってるから相手もその場だけ不快になるだけで尾を引かないのだ。
信長さんに優しさをプラスしたような人だ。さすが兄弟と言うだけある。
「あぁ〜!もう!分かった分かった!分かりましたよ!アパッチに乗って北条に向かうのです!」
「ほら来た!北条か!よし!行くぞ!」
いや何で信治さんが仕切ってんの!?しかも二つ返事でか!?事の重大さが分かってんの!?敵ではないけど空から降りるんだぞ!?
俺は出発前に徳川さんにだけ伝える。
「とまあ、未だ同盟は続いてると見越して、今後の無駄な戦が起こらないように北条に話をして来ます」
「大丈夫なのか?」
「危なくなればすぐに帰ります。それと高天神城の件です。どっち付かずな意見を押し通す様なら俺は小笠原さんを排除しますよ。あそこで無駄に戦われれば物資はありますがもったいないし時間の無駄です。敵を三方ヶ原に集中させ一網打尽にするためにあそこの城は相手にちょうど良い飴なのです」
「だが小笠原殿の意見も分からん事はないのーー」
「甘いですね。確かに俺は援軍ですがならば徳川様だけで戦いますか?侵攻してきた。撃退した。じゃないのですよ?確実にあの2家を滅ぼします。この意味の大きさを今一度お考えください。偉そうにすいません。では夜には戻ります。よろしくお願い致します」
あぁ〜・・・偉そうに言ってしまった・・・徳川さん怒ってるだろうな。夜にすき焼きでも持ってってあげよう。言葉の錯誤があるのは良くない。
「殿?大橋に好きなように言われ黙っているのですか?」
「夏目!深く考えず軽口叩くでない。あれは本物ぞ。本当に武田、上杉を滅ぼそうとしている。ここで大橋の意見に反対し、作戦の失敗でもしてみろ。美味しい所を全部大橋が・・・織田が取って行くのだぞ?我らが逆に美味しい所をいただくのだ。小笠原に伝えておけ。『我を通すなら二度とお前と会う事はないと』」
「・・・・畏まりました」
「忠次を呼べ!大事な内密な話があるとな」
バラバラバラバラバラバラ
「これだよ!このプロペラの力強さよ!おぉ〜!!アパッチ君!!君を待っていたのだよ!!」
「奥方殿?暁はこのあぱっちなる物に恋でもしてるか?」
「これは男ならば誰でも通る道かと。暁様は未だその道半ばに居るのです」
「そ、そうか。てっきり頭が逝ってしまったかと思ったぞ!?」
ふん。外野が色々言ってるが関係ない!冬ボ全ツッパして当たったアパッチ君!正式名称 AH-64D アパッチ・ロングボウ。ヘリコプターの王者に相応しい獅子にすら見える風貌。
この世界に敵なしと言える紛う事なき姿!会いたかったぞ!!
「なぁ?暁?北条ならこの最上で向かっても良かったのではないのか?」
「・・・・・・信治さん?感じませんか?このアパッチが飛びたいと言ってる声が?」
「こ、声か!?言ってるのか!?へりこぷたーなる物は喋るのか!?」
「(クスッ)信治様?例えの話ですよ?それに船で行くのは面白くないですよ?相手の度肝を抜く!それを暁様は求めているのです」
「そうか・・・この最上でもかなり度肝抜かれると思うのだが・・・俺には到達できない境地だ。いやすまん」
「さぁ!行きましょう!小雪!操縦頼むぞ!信治さんは間違っても世紀末みたいに右翼の銃座でヒャッハーしないでくださいね!?」
「馬鹿!するわけないだろう!・・・だがそう言われると撃ちたくなる。暁?少しだけいいか?海に向かって撃つから!」
「ダメです!」
「そんな事言わずに!な?ちょっとだけだから?な?ちょっとだけだ!」
なんかその卑猥に聞こえるな。プレイボーイが良く言いそうなさきっぽだけ!とかと同じ意味に聞こえる・・・。まあとにかくさっさと小田原に行き薬渡して戻ろう。
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