間話  望月、黒川意地の張り合い

 「暁様?これも持って行くのですか?」


 「うん?そりゃ当たり前だろう!?徳川様の便所はウォシュレットがないのだからせめて紙は上質なダブルのトイレットペーパーじゃないと!!」


 「そういえばそうですね」


 「うん。ここだけの話・・・俺のおしりはデリケートなんだ。少しコンディションが悪ければすぐに切れてしまうんです」


 「そ、そうですか・・・大変な尻ですな!?」


 「今、心の中で小馬鹿にしましたね?望月さん?」


 「い、いえ!そんな事ありません!そういう奴はいっぱい居ますよ!」


 「そうですか。切れ痔の事を馬鹿にすれば今後、すき焼きは食べれないと覚悟しておいてください。基本的にオレは寝床が変わっても中々寝付けないナイーブな心を持ってるか弱い男なので」


 この方は何を言っておられるのだ!?こんなに夢幻兵器を持ち、散々暴れ回っておいて、本人はないーぶな心を持っていると?


 確かセバスチャン様に教えてもらった英語という言葉だったような・・・ないーぶ・・・確か純粋や初心な意味だったような・・・


「あっ!暁様!暁様専用の泥パック6ヶ月分と歯磨き粉3本、5枚刃のてぃーじかみそりなる物は貴重品の中に入れておきましたよ!」


 「さすが黒川さん!できる男は違いますね!ねぇ?そう思わないですか?望月さん?」


 クッ・・・あの黒川の顔・・・ワシを馬鹿にしておるな!?



 「暁様!念の為に歯ブラシの予備、下着類の予備、ポータブル電源とそーらーぱねる、どらいやーも入れておきました!」


 「さすが気付く男望月さん!やっぱ望月さんのもんだよ!俺は完璧に忘れてた!ドライヤーがなければ髪の毛ボーボーになってしまうからね!ありがとうございます!」


 クッ・・・望月め!あのしてやったりな顔・・・勝ち誇りやがって!


 「暁様!いつでも温かいこーひーが飲めるようにたんぶらーも御用意致しました!」


 「暁様!ばすくりんも御用意しました!」


 

 「あぁ〜あ。あの2人は何やってるんだか。あんなに荷物増やして誰が運ぶんだろうね?」


 「すずは痛い所突くのね?またつまらない2人の意地の張り合いよ」


 

 俺は・・・俺は一体いつまで2人の荷物確認しなくてはいけないのだろうか。俺の部屋・・・荷物入れる木箱いっぱいなんだけど・・・。

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