男達の希望大和
「これは・・・あれです!そう!港を作ったのです!今後大きな船や南蛮の船、明の船がいつ来てもいいように!ははは!よくできたものでしょう!?」
「それは見れば分かる!ワシが聞いておるのはこのあまりに大きい鉄の船・・・禍々しい程の船はなんなのだと聞いておる!」
「これは男達の希望!大和です!」
「なに!?松永が治る地の名前の船だと!?」
いやその大和の意味ではないのだけど・・・言っても分かってくれないよな・・・。
「いえ、お好きな名前をお付けください!!これは織田様の船にございます!!」
あぁ〜・・・俺の夏ボ全ツッパした大和ちゃん・・・。
「ふん。今日からこれは尾張じゃ!!これ程の船は浮かばせておくだけでも威圧できる!これはどうやって動くのだ!?」
大和改め尾張になった。とりあえず皆を新しく命名された尾張に乗ってもらう。
全長263メートル、幅38.9メートル、主機
艦本式タービン4基4軸、出力153,553馬力。これだけでも紛う事なき超弩級戦艦だ。
ここでも特筆すべきは燃料だ。ゲーム仕様で水で動く。そして兵装だが、
45口径46cm3連装砲塔:3基
60口径15.5cm3連装砲塔:2基
40口径12.7cm連装高角砲:12基
25mm3連装機銃:52基
25mm単装機銃:6基
13mm連装機銃:2基
間違いなく世界をやれる兵装を装備している。動かすのに一人では無理だがまず間違いなく言える事は史実では沈没してしまったが、大和改め、尾張を撃破する事は容易くないという事。ただそれだけだ。
「ここの後部にエレベーターがあります。乗り込む時はこのボタンを押してーー」
「御託は良い!はよう上がろうぞ!!!」
いやいや興奮しすぎだろ!?
「なんじゃここは!!?この船が国くらい大きいぞ!!?」
「この船の中でも戦ができるほど大きいぞ!?」
利家さんも佐々さんも驚きまくっているな。
いやもしかして・・・長門も武蔵も赤城も説明しなくちゃいけないの!?
それから長い長い説明が始まる。全ての兵装を射撃、発砲し実演しながら説明をする。まずここまで説明するのに2時間掛かった。
皆質問が多すぎる。話しが進まないのだ。それに信長さん本人に関しては『ワシが撃たねばなるまい!』と言い、自分でしないと気が済まないみたいで玩具で遊ぶ子供のような屈託のない笑顔で主砲の46センチ砲をブッパしていた。
ただ一つ、これまた実在の大和は見た事ないが、ゲームの仕様上砲を撃つ事に関しては本物の大和より撃ちやすいのではないかと思う。
操舵室横にある部屋に、各武器に搭載されているカメラからのモニターがあり、切り替えすればこの部屋から撃つ事ができるのだ。まあこのおかげで如月しかフレンドの居なかったオレはこれを運用できていたのだが。
ちなみに赤城に関しては空母だが艦載されている九九式艦上爆撃機、いわゆる急降下爆撃機だ。これは自分で操縦しないといけないためフレンドの居ないオレは運用する事ができなかったのだ。
だが一応オートモードというのがあり、そのオートモードにすると予め目標を決めておけば神風アタックをしてくれるのだ。だがこの九九式艦上爆撃機。一機あたりリアルマネー900円もしたのだ。それを神風にて失うのは実に辛い。
だから赤城には最大40機艦載できるが、俺の赤城には7機しか九九式艦上爆撃機がいない。
「おい!大橋!この船で寝泊まりはできんのか!?」
「できますよ」
「うむ!今日はここで一泊するとしよう。まだまだ分からぬ事が多い故、明日も説明を頼むぞ?」
いやマジかよ!?
次の日から3日かけて全ての戦艦の説明をした。城の人達から再三の呼びかけも無視。政務も無視。ただ船の説明を受け発砲、発砲、発砲。暴走、暴走、暴走の繰り返しだ。
ただやはり本来の天下人だ!と思った事が大和改め尾張は『沈む事は考えれないしどこまでも走れるであろう。だが小回りが利かぬ』と大型船のデメリットを言い当てたのだ。しかも『運転は慣れれば一人でもできよう。だが兵の練度が足りぬし海戦の演習もしなくてはならぬ。当分は訓練にて使う』と言ったのだ。
潜水艦の方は気づかれない内にインベントリーに収納した。別にこれらと同じように説明してもよかったがまだ潜水艦が登場する年代でもないし隠蔽する意味がないからだ。
いつか、おやしお、そうりゅうも日の目が見る時がくると面白いがその時は国防が危ないって事だからな。
「大橋!この漁船と言う船は何か装備はついてないのか!?」
「すいません。それはハズレの船で・・・失礼しました。それは小回りが利く船なので兵装はついてません」
「うむ。この漁船の操縦方法だけ教えておけ!これに乗りお騒がせ将軍を鎮圧して参る!」
「堺から淀川に入り京に向かう感じですか?」
「うむ。足は速いし即座に進軍できよう」
「分かりました。では早急に教え、その後私達は徳川様救援に向かいます」
「うむ。良きに計らえ」
信長さん達一向が岐阜に帰ってからオレ達は話し合う。まず、黒夜叉隊の皆を呼び寄せ、皆には船を操船してもらう事にした。恐らく明日、明後日に信長さんの配下の人が来るだろうから、簡単にだがエンジンのかけ方、レバーの使い方、ハンドル操作を覚えてもらう。
そんな難しい事ではないため3時間もすれば皆簡単に操船できるようになった。言わずもがな、小雪、佐助に関しては何でもできるためパスだ。小雪は、助けたせきさん達に当面の米や塩、味噌なんかを渡してあげている。
かなり感謝されてるみたいで俺達を見れば拝んできたりするのだ。勘弁してもらいたい。
「皆覚えてくれましたね?」
「いやぁ〜船があんなに速く走るとは面白いですな!?」
「まあ大荒れの日なんかは出航できないけどね?」
そうそう。あのせきさんの娘さん。のりちゃん。のりちゃんは俺達に懐いたみたいで今や一緒に行動している。というか、お母さんのせきさんにかなり頼みこまれたのだ。
「主人は私達のために去年の今頃漁に出て帰ってこなく・・・」
「心中お察し致します。他の人も生きるのに精一杯な方が多いですからね。これより内地に入った岐阜に参れば施しを受け、生活の基盤なんかを整えるように環境を整備しております」
「ですがこんな私にできる事なんかは・・・」
「ははは。仕事は何でもありますよ!これより私は他国に出払いますので私の配下の者にたまに見回りをさせます」
「ではよければ娘をお使いください!使い走りから何まで何でも言っていただければ・・・」
「いやいやそんな悪いですよ!子供は母親と居るのが1番です!」
「ですがここに居ても食べさせる事も危うく、家も隙間風が多く・・・」
「ではオレ達がここに居る間は少し手伝ってもらおうかな?家は少し離れた場所に空き家ができてますので好きな家に引っ越ししていいですよ」
例の港町システムの家が出来上がってるから周辺の人は引っ越した方がいいだろう。少なくとも今の家よりはかなりいいはずだ。
「おっかあ!私おにいちゃんに奉公するよ!!」
「のり!言葉に気をつけなさい!!お武家様すいません!!」
「妹みたいで可愛いものですよ?ははは」
まあオレに妹なんか居なかったんだが。
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