京に向かう空の旅
「目が覚めたなら聞け。お前達が奪い、隠した銭なんかを吐けば命は助けてやる。今はまだ燃えているが直に火は消えるだろう」
「お、お前はこんな事をして神が怖くないのか!?」
「無駄話するつもりはない。お前がまさか神の事を言うとは思わなかった」
「慈海様!?ようございました!命が助かるのならまた昔のように仏の道を下々の方と問うて参りましょう!?」
「お冬?お前は・・・・・。うむ。今度こそ間違えないようにしなければな!」
いや何勝手に完結してるのかな?お前は許さないから。馬鹿じゃないの?
「精進料理とまではいかないが米とたくあんくらいは出してやる。食っておけ」
あんな奴は放っておいてさっさと餃子食べよう。
「お待たせ!!おっ!やってるな!小雪?どうせならあるだけ焼いてしまおう!明智さんや佐久間さん達にも持っていってあげよう」
「(クスッ)分かりました!彩葉?彩葉は佐久間様に、市華は明智様に、風華は柴田様に、みおは青地様に、すずは城を守った人達に持って行ってあげなさい!」
「「「「「はっ」」」」」
それから大急ぎで焼きはじめる。城からあるだけの鍋を借りたし俺の持ち出しもある。かつての日替わりガチャのゴミだ。(ハズレ)
スキレットやカラトリー、皿など他にもいっぱいある。例の如くゲームでは使用方法が皆無なアイテム達だ。それが今は大活躍している。
「タレは醤油しかないから我慢してくれと言ってほしい。じゃあみんな頼んだよ!」
それから最後に俺達の食べる分だ。500個程あった餃子は残り100個程になっている。明智さんや柴田さんなど、隊により個数は多少違うが許してもらいたい。
「大橋殿!?これが餃子か!?」
「そうです!美味そうでしょう?あっ、肉食は大丈夫ですよね?織田は肉食を推奨してるくらいなのです」
「そこは問題ない。美味そうだ!はよう食べてみたい!」
50歳くらいだとは思うが子供のような顔になっているな。
「はい!どうぞお食べください」
「うんッ・・・・・・うぅぅ〜む・・・・これは美味い!!山岡ッッ!!!米を持ってこい!!」
「はいどうぞ!」
「奥方殿すまない。山岡!お前の行動が遅いからだ!」
「と、殿!それはあんまりですぞ!?」
あの山岡って人も昔から六角さんに従う人だとは思うが良い関係の人達じゃないか。
「美味い!」「このような物があるとは・・・」
「肉が臭くないとは初めてだ!!」
六角さんの配下の人達も喜んでいるな!
「暁様?明智様や佐久間様の隊の方が来られました。それと・・・織田様も・・・」
「あっ!!忘れてた・・・残りの餃子をかき集めーー」
「貴様ッ!!!ワシも食べると申しておったはずだが!?何故10個もないのじゃ!?申してみよ!!」
「も、申し訳ございません!!明智様や佐久間様達にも!と思い、持って行ってあげまして・・・」
「言い訳はよい!ワシは100は食らうぞ!」
いや細い体でどんだけ食べるつもりだよ!?
「織田殿?我が殿を許してもらいたい。各々の皿に取った物ではあるがまだ口に付けていないのを渡します。どうか・・・」
「チッ。興醒めだ!自尊心の高い六角がまさか大橋を殿と言えるくらいになるとはな?ふん。まあ許してやろう。それにそれはお前達が食え!ワシはこの'少ない!'餃子で我慢してやろう」
いやわざわざ少ない事強調しなくでいいだろ!?忘れたのは申し訳ないけどたまにはしょうがないだろ!?
六角さんが俺を慕ってくれるのは素直に嬉しいな。なんとか報いてあげよう。ってかここに来て佐助が静かだな?あれ!?戻ってきた彩葉と良い感じぽいぞ!?
「うむ。相変わらず美味い!で・・・お前等は明智と佐久間と勝家の伝令役だった者達だな?なんじゃ?」
「い、いえ!なんでもございません!大橋様に大変美味しゅうございました!と一言伝えておこうかと思いました!!」
うん。嘘だな。多分、お代わりだったのだろう。皿持ってきてるし・・・なんなら俺がよそった皿とは違う一枚も持って来てるし。
次の日皆と別れ俺は京に向かう事になる。
「佐久間!明智!叡山を鎮火させ捕らえた者を詮議せよ!一切の手加減無用。あの顎を割られておった坊主から些細を聞き隠しておる銭を回収しそれを復興の銭にして使え!」
「「はっ。心得ました」」
「うむ。大橋!行くぞ!ツェッペリンを出せ!あれで京まで出向く!二条御所に降りればよい!あそこは将軍が蹴鞠をすると聞き分けならんくてかなりの広場だ!」
「分かりました!」
俺はツェッペリンをインベントリーから取り出し乗り込む。黒夜叉隊のみんなも一緒だ。後は覚恕さんとお付きの人4人も一緒だ。信長さんの世話役は前田さん、堀さん、ここでまさかの竹中さんだ。
恐らく将軍が一計を計ってくるだろうとの事で機転がきく竹中さんを横山城から呼び寄せたみたいだった。
「久しぶりですな!?我が友よ!」
こんな臭い言葉を言われたのは初めてだ。
「竹中さんお久しぶりです!どうぞ!お乗りください」
「ほほほ!これが最強の空の夢幻兵器ですか!!いやぁ〜楽しみですな!ほほほ!!!」
「おう!暁!きゅうていなんとかバージョンにしようぜ!前に佐助がしてくれたんだ!」
「分かりました。覚恕様もいらっしゃるのでそうしましょう!」
信治さんに言われるがまま宮廷晩餐室バージョンにした。黒夜叉隊に組み込まれた六角さんも一緒に来てくれている。ちなみに観音寺城の支城の星ヶ崎城と呼ばれる小さな城に奥さんと息子の義治さん達は居るらしい。
岐阜城に出仕する事になるからこの城も破却されるかは分からないけどかなり辛い思いをするだろうな。見た事ないけど。今後の働きにより大きいジオラマの家でも出してあげようか。少なくとも俺のジオラマの家は観音寺城より快適な家だと断言できる。喜んでくれるだろう。
「うむ。皆乗り込んだな?よし!大橋出発じゃ!!」
操縦は俺だがオブジェクトと思っていた、これまた何故か島津家家紋、丸に鍵十字が刺繍がされてあるキャプテンハットを被り信長さんが号令を掛けた。
「えぇ〜・・・大橋殿?前から思っておったのだが・・・これはなんて呼ぶ物なのか?」
「え?あっ!それはただのマグカップとかですよ!そばに紅茶がありますので飲みますか?おい!佐助!お前覚恕様に最高級紅茶をお出ししなかったのか!?え!?出さなかったのか!?課金額も意味の分からない500円したやつだ!」
「え!?あっ申し訳ございません!直ちに!」
大袈裟に言ったがこれはわざとだ。覚恕様は他の人と違うと思ってもらうためだ。さぁ、すぐに到着だが空の旅だ。
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