AH-1コブラ登場
戦闘開始してから3日目。この3日目は城に500人を残し全員が坂本の陣に集合した。
「皆の者!よく耐えている・・・いや失礼。余裕があるくらいに頑張ってくれている!礼を言う。だがここからが本番であろう!」
森さんが激を飛ばしているが俺も思う。ここからが本番だろうと。浅井の兵がまだ出て来てない事、朝倉本軍も本気ではない事。
一つ懸念があるとすれば結構な勢いで鉄砲の弾を消費している事だ。味方の数は減っていないが・・・佐助が言った戦車の主砲を撃つだけで破壊してしまうから無闇に攻撃できないしな・・・。もうこの際更地にしてしまうか!?
「森様?実はまだ出していない強力な兵器があります。それにて私が一掃しましょうか?」
「なに!?そんな兵器があるのか!?」
「おう!出せ!出せ!ついでに俺もその兵器に乗せてくれ!」
信治さんは面白おかしく言っているが俺は昨夜の酒の事忘れてねーからな!?
俺はインベントリーから禁断の兵器、AH-1コブラを出した。
「うんっ!?それはなんだ!?蜻蛉のような羽が付いているぞ!?」
「さすが森様。この羽を回転させて飛ぶ乗り物です。強いて言えば強力すぎる故に全てを破壊してしまうところでしょうか。だから今まで封印していました」
「破壊か・・・だが致し方あるまい。それはどういった兵器なのだ?使い方は?」
「分かりやすく言えば空から敵に銃弾をばら撒けます。他にも焙烙玉より何倍も強力な兵器も備わっております」
「空だといい的ではないのか?」
「まあ弓や鉄砲で狙われるでしょうが思っている以上に早いし多分当てられないと思いますよ。それに当たった所でですね。触っていいですよ。鉄でできていますので」
「お!本当だ!これも鉄でできているぞ!!」
青地さんも興奮しているみたいだな。
「決まりだな。大橋殿に任せる。我らはどうすれば良い?」
「ありがとうございます。まあここで待機してくれて良いかと。あっ、何人かはさすがに撃ち漏らすかもしれないのでその人達の対処をお願いします」
「おい!暁!これは!これは俺は乗れないのか!?」
「え?一応後ろに乗れるとは思いますが私の隊の黒川さんにーー」
「おい!黒川とやら!俺が乗る!構わないな?別にいいよな?」
ここで権力を使うのか!?黒川さんも頷くしかできないだろ!?
「まあでもすぐに勝負つくと思いますよ?なんなら敵は逃げるかもしれませんし」
「それでも良い!俺に乗らせてくれ!兄者に自慢してやるのだ!いつもいつも俺に命令ばかりして偉そうな兄者より先に空を飛ぶのだ!」
いやそれは俺の命が危うくなりそうな・・・。何故弟を先に乗せた!!!?とか言われそうな気がする・・・。
「若ッ!空を飛ぶなんぞ危のうございますぞ!!いくら大橋殿の夢幻兵器とはいえ・・・」
「ふん!爺は空が怖いのか!?そこで見ておれ!ははは!さぁ!暁!敵を一掃するのだろう?早く行こうぜ!」
信治さんの家老の内藤さんが必死に止めているが信治さんは乗る気満々なので乗せる事にした。
本物のヘリなんかは操縦した事はないがこれもゲームと同じで簡単な操作だ。右足で加速、左足ブレーキ、ハンドルこそ一本棒だが引くと機首が上がり押し込むと下がる。ハンドルの親指を置く所にボタンがあり、それが機銃の発射ボタンだ。
装備としては、運転者ができる事は20㎜ M197ガトリング砲と対戦車ミサイル8発、ハイドラ70ロケット弾が19発装備している。まだ対戦車ミサイルはいいけどロケット弾は本当に破壊してしまうため撃つつもりはない。
基本的にガトリングだけで対応するつもりだ。後部の信治さんは観測要員だ。本当は前の席のプレイヤーが攻撃、後ろの席のプレイヤーが操縦なのだが運営の優しさで野良プレイヤーでも使えるように前席、後席に切り替えスイッチがあり後席で全部操作もできる。
うん?俺はって?そりゃ1匹狼の野良プレイヤーだ!友達が居ないわけではないぞ!如月も居たしな!!ははは!はぁ〜・・・・・。
「おい!暁!何悲しい顔してるんだ?早く乗ろうぜ!」
「すいません。少し昔を思い出しました!さぁやりましょうか!」
無線付きヘルメットを被ってもらい俺は後席に座り信治さんは前席に座ってもらった。皆、何で俺が後ろなのか聞いてきたがこんなものだ!としか言えなかった。
「テスッ テスッ。信治様?聞こえますか?」
「おう!聞こえるぞ!このへるめっととやらは頭を鉄砲から守れそうで良いな!声も聞こえやすいぞ!」
「ははは!火縄くらいなら防げるかもしれませんね!では飛びますよ!」
ブン ブン ブン ブン ブンッ ブンッ ブンッ
ゲームで何回も操作した事だが現実だと緊張する。もし落ちれば即死亡だ。
「おぉ〜!!!!!飛んでる!暁!飛んでるぞ!!!」
そりゃあな?飛ばしてるんだから飛んでるさ。
そんなに高い建物があるわけではないから俺は低空ホバリングでゆっくり敵の方に進む。するとすぐに朝倉の旗印が見えた。
「居るわ!居るわ!こんなに敵の数が多かったのか!?」
「確かにかなり多いですね。一応警告を出しましょうか。信治様?右手の四角い電話みたいなの分かります?」
「えっと・・・右手のところ・・・これか?」
俺は隙間から確認して拡声器と分かったのでそれと答えた。
「ボタンを押しながら喋ってください。そうすれば大きな声になりますので」
「うむ。こ、こうか?おっ!?声が聞こえよる!何でこんな声になるのだ!?」
「ちょ!信治様!スイッチ入ってる!相手に聞こえてますよ!!」
「おっ、おう!すまんすまん!で、何を話すのだ!?」
いやいやもう既に逃げ出してるやつが居るぞ!?信治様にも仕事と思ったけど俺が言おうか。
「いえ、私が言います。信治様は敵の確認をお願いします」
「す、すまん」
「フッ フッ。ゴホン!え〜と朝倉の兵に告ぐ。俺は織田軍 大橋隊の大橋暁である!これより我らはこの空より浅井、朝倉、六角、一向宗に攻撃を開始する。始まれば逃げ場はないと心得よ」
俺は脅しのつもりで先頭に居る一向宗に当たらない程度にガトリング砲を撃った。
ドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッドッ
「おい!暁!皆逃げているぞ!!」
「手の出しようがないですからね」
カンッ
「うん?おい!あそこにバカが一人居るぞ!弓矢を放ってきているぞ!」
信治さんに言われそいつの方を確認すると確かに俺達に弓を放って来ている。いるが・・・話にならん。
ドッドッドッドッ
「誰か分からなかったですがコブラの最初の獲物になりました。よし!このまま、志賀の街道と穴太の方にも行きましょう!」
「と、殿!あれはなんなのですか!?」
「分からん!そんな事より退け!早くに退けッ!!あんなのに敵うはずがない!なんであんな物を織田は持っているのだ!?」
「そんなの某が分かるはずありません!そもそも空を飛んでいるなんて・・・」
「景隆様も早く!!」
「待てよ?空を飛ぶ・・・飛ぶ・・・あの異形な物は羽みたいな物が回転していたよな?」
「いやそこまで確認できませんでした・・・」
「3人来い!試したい事がある!強弓を持って来い!」
「景隆様は何か分かりましたか!?」
「分からん!60余年生きておるがあんなもの初めて見た。だが飛ぶという事は翼が必要なはずだ。宗滴様が育てておった鷹がいたであろう?鷹は飛ぶ前に何をする?飛ぶには翼がいる。あの異形な物の回っているあれが異形な物の翼だ!」
「さ、さすが宗滴様亡き後、朝倉家の軍権を握られるお方でございます!」
「そんな事は良い!お前達は遠くに離れろ!」
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