お姫様はサイコロを振る ~ 魔法学園の1d6

相川原 洵

1 朝


(主人公の性別 1d6️⃣ (六面体サイコロひとつ振って決める) 偶数は女、奇数は男)2️⃣【主人公は女性】



シャールカは(1d6️⃣+11)5️⃣+11【16】歳、親の身分は(弱<1d6️⃣<強)6️⃣【王族】。(1d6️⃣×10+120)2️⃣×10+120【140】cm、容姿は(地味<1d6️⃣<美貌)3️⃣【自己評価低めの可愛い系】。


[能力(弱<1d6️⃣<大)]

体力【1️⃣】歩くだけで精一杯

地頭【1️⃣】判断に時間をかけて間違う

学力【6️⃣】王宮書庫の全書物を暗記している

政治【3️⃣】お茶会を無難に無難に過ごせる


[属性(1d6️⃣)]【3️⃣】

1:光 2:地 3:火 4:風 5:水 6:闇



   🎲



 わたくしはシャールカ。16歳の地味な女。両親がこの国の王様と王妃さまなので、私も王女様と呼ばれることがあります。でも地味でひっそりしていて満足、充分。

 なのに、その安息が破られようとしているの。


 朝、ベッドの上で大きな溜め息をひとつ。だって、今日から魔法学園の高等部1年生。肌のように馴染んだベッドとも、私の巣ともいえるお部屋ともしばしのお別れ。憂鬱。


 学校で同級生になる子たちは、自分よりも年下ばかり。実は生まれつき体が弱い私は、初等部への入学が1年遅れたうえに、去年は病気でずっと寝込んでいたので、さらに1年、なんと2年も遅れてしまったのです。周りに馴染めるわけありませんわ、とても憂鬱。


 だのに、お父様はいつも(弱<1d6️⃣<強)5️⃣【厳しくて怖くて】、私が授かっている〝ダイス魔法〟という意味も効果もよくわからない能力、これが何の役に立つのか、それを解き明かすために魔法学園できちんと学ぶことはきつく命令されているの。




「シャールカ様、お目覚めですか。では、お支度をしましょうね」


 毎朝タイミングよく入ってくるのは、メイドにしてお目付け役のエマ。

(1d6️⃣+11)6️⃣【17】歳、親の身分は(弱<1d6️⃣<強)1️⃣【平民】。(1d6️⃣×10+120)4️⃣【160】cm、容姿は(地味<1d6️⃣<美貌)5️⃣【堂々とした美人】。

親愛度(1d100+50・最大100)【99】


 彼女の母は貴族の家柄で私の乳母。エマとは姉妹同然に育てられたんだ。けれどその父親が政治犯になって一家全員平民身分になっちゃって、かろうじてエマだけは私のメイドとして近くに残ってくれて。

 ひとり実家の大黒柱として、復権を目指して「縦ロールの平民メイド」と陰口されても頑張っているの。ホント偉い子だよ。


「うん、…あのね、」


「身支度をしながら伺いましょう。さ、ベッドから降りて。今日は歩けますか?」


「…エマは今日も輝いているね。」


「シャールカがくすんでいるからそう見えるんです。さあ、さあ!」


「…失礼な。歩くのはいつだって出来てるよ。」


「腰を起こして。背筋をたてて。膝を伸ばして。〝歩く〟というのはこういうことです。シャールカのは、二本足で這っている、というのです。こちらの椅子に掛けなさい」


「…エマは自分が美人だからそう思うんだよ。」


「いつの話の返事をしてらっしゃるんですか。ハイ体を拭いて御髪おぐしを整えました。元気そうに見えるお化粧、高等部の制服。ホラ天使のようです、マイエンジェル」



   🎲



 私のきょうだいは男が(1d6️⃣-1)4️⃣【3人】、女が(1d6️⃣-1)2️⃣【1人】。(年齢は(2d20)、母の身分は(弱<1d6️⃣<強)【上から40(3)、35(1)、13(4)、22(6)】


 一番年上には太子兄上、40歳。後ろ盾がちょっと弱くて苦労してらっしゃる。二番目兄上・35歳は母君が、お忍びの父上に見初められた町娘だということで難しいお立場。

 姉上がお一人、22歳。父上の正妃のお子は姉上だけなので、ひょっとしたら父上の後を継ぐのは姉上になるのかもしれません。

 それから、私より3つ下に弟が1人います。まだ13歳。太子兄上とは母君が別で、そのご実家は兄上より強いので政治的には緊張の種だったり。


 私のお母様は(弱<1d6️⃣<強)3️⃣【太子兄上と同じ側室の妃】。

 なので何もしないでじぃっとしていればみんな気持ちよく放っておいてくれるけれど、何かしようとすると、その全部に高度な政治が関わってきて私の手に余る。

 だから私が何もしないのは国政に良い影響を与えているのです。エヘン。




 これから毎朝学校に通うスケジュール。(緩い<1d6️⃣<厳しい)1️⃣

 朝はできる限りギリギリまで寝ていたい。朝食はどうせあまり食べられないので、野菜スープで済まさせてほしい。

 それからゆっくり登校。少しでも体力をつけるために歩く。こればかりはエマが「どうしても」と譲ってくれない。王女様なのになぁ。




「これは姉上、おはようございます。」


 玄関で声をかけてくれたのは、その弟王子マルツェル、13歳。(1d6️⃣ 偶数は○奇数は×)6️⃣【同じ魔法学園に通う】中等部3年生。来年には私17歳・高等部2年生と弟14歳・高等部1年生で並んでしまう。


 彼の背丈は(1d6️⃣×10+130)1️⃣【140】cm、おチビちゃんだったのにとうとう追いつかれた。容姿は(地味<1d6️⃣<美貌)1️⃣【姿をした暗黒】。

親愛度(1d100・最大100)【97】




 私としては弟マルツェルのことが可愛くてしかたない。相思相愛と言ってもいい。

「何でもお姉ちゃまにお任せなさい」を合言葉に立派な紳士に育てあげているはずだったのに、周囲からの彼の評判は悪いらしい。世の中には見る目のない人の多いこと。


[弟王子の能力(弱<1d6️⃣<大)]

体力【4️⃣】可能性が豊か

地頭【6️⃣】予想が外れるのを見たことがない

学力【3️⃣】他人の努力がバカに見えるお年頃

政治【4️⃣】センスはあるがやる気がない


[属性 (2d6️⃣で9以上なら2コ 1️⃣4️⃣なので1コ) (1d6️⃣)]5️⃣【水】

1:光 2:地 3:火 4:風 5:水 6:闇



「おはよう、マルツェル。あなたも今日から3年生ね。優秀な弟がいて私も鼻が高いわ。お姉様も負けていられないね、しっかりしないと。」

  

「くだらない僕などのことを姉上の御心にかけていただいて、申し訳ないやら天にも昇る心地がするやら。今朝はそれだけで人生最高の日です!

 あぁ、姉上は今朝も本当に美しい。お体は大丈夫でしょうか。薄柳の質の姉上が心配でなりません。病からご回復なさって、光り輝くばかりに愛らしいお姿を目にすることができ、この喜びを満天下に知らせたい思いでいっぱいです。

 世の凡俗どもの価値のない目玉など摘み取ってやらねば。あぁ、来年になれば僕が学舎内でも姉上をお守りできるのに。

 おい、エマ、わかっているのだろうな!」


「抜かりはありません、坊っちゃん」


 エマは懐や袖、スカートの裾から暗器をチラリと光らせ、2人でうなずき合っている。

 なんだか危なっかしい。私、ホントにしっかりしないとね。






――――――――――――



1話、お読みいただいてありがとうございます。

5話までで実質1話みたいな予定になってますので、のんびりご覧ください。当分、大事件は起こりません。


よろしければ、グーグルで "1d6" を検索いただいて、出てきた数字÷2(小数点切り上げ)の★をください。

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