第2話 星霊と繋がる夜

宙太ちゅうた(本名:ティルアス・ニウエ・ヴォル・宙太)は、深い森の湖を思わせるエメラルドグリーンの瞳を持つ少年だ。その瞳は一族の誇りである星霊ネビュラとの繋がりを示している。穏やかな表情に落ち着いた色の服装を好み、襟元には一族の象徴である装飾が施されていた。


夕暮れ、宙太は家族と共に銀河の森へ向かっていた。隣には愛犬のシエルが寄り添う。青い瞳を持つふわふわの毛並みのシエルは、宙太にとってかけがえのない相棒だった。


父・宇太うた(本名:レンティス・ニウエ・ヴォル・宇太)は「森の守護者バイオシルヴァン」として森の生態系を守り、星霊との交信を担っている。一方、母・星愛せいあ(本名:セリスティア・ニウエ・ミラ・星愛)は、物質界と精神界を繋ぐ役目を担い、星霊のメッセージを人々に伝えていた。


宙太の幼馴染で従姉妹の星羅せいら(本名:ルミエラ・ニウエ・ミラ・星羅)は、家族とともに新月の儀式シンクロニゼーションに参加するため、宙太とともに森へと足を進めていた。星羅は金色の髪に青い瞳を持ち、夜空に輝く星そのもののような存在だった。二人は親しい友人のように笑い合いながら歩き、許嫁いいなずけという関係を意識することはなかった。


森に到着すると、宙太と星羅は準備を進める家族を見守りながら、夜空を見上げた。静かな星々の光が二人を包み込む。


「宙太、星霊と繋がるなんてすごく不思議だよね。星たちが私たちに何かを伝えているなんて、信じられる?」星羅が問いかける。


宙太はしばらく考え、静かに答えた。「そうだね。でも僕たち一族には代々受け継がれてきた力だし、不思議だけど当然のことでもある。けど、時々星霊の声が遠くから聞こえてくる気がするんだ。」


星羅はその言葉に微笑み、首をかしげながら優しく宙太を見つめた。二人は静けさの中、夜空を眺め続け、星霊が漂う気配を感じ取った。

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 ※1.森の守護者(Bio-Sylvan): 森とその生態系を守る一族や個人に与えられる称号。自然環境維持のために生態ネットワークと連携し、ナノテクノロジーやバイオエンジニアリングを用いて自然環境を維持し、星霊ネビュラとの精神的および技術的な交信を可能にする。


※2.新月の儀式(Synchronization): 星霊ネビュラとの交信を目的とした伝統儀式。新月の力で精神波動を調律し、星々の意志を受け取る。

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