召喚獣(美少女)に戦わせていたら、女の子をこき使うクズ野郎認定されたので釈明配信する ~ち、違う!僕の召喚獣だから!←余計に炎上~
一円零銭
一章
第1話 召喚士
〈 ダンジョン下層 〉
薄暗い洞窟の中で巨大な大剣を振り回すモンスターと戦う少女がいた。
水色のショートの髪。体には白い鎧をまとい、青く輝く宝石と植物のレリーフが彫られているショートソードと小盾を装備している。
モンスターの攻撃を小さな体躯ではじき、隙を見つけては剣の一撃を当てる。
その攻防が何度も繰り返され、ついにモンスターは膝をついて崩れ去る。
戦いを終えた少女のもとに一人の青年が歩み寄る。
「今日もお疲れ様、エリ」
「何を言いますか、マスター。マスターのために戦うことは召喚獣として当然の事。何も気負うことはありません!」
少女、エリは青年の顔を見つめながら、体の前で手をギュッと握り、目をキラキラさせながら、そう言う。まるでその言葉が当然だと言わんばかりの態度に青年は「アハハ」と乾いた笑みを浮かべる。
だが青年はエリが自分の代わりに戦ってくれたことを当然のこととは思わない。自分はモンスターと正面から殴り合うことができないから、エリを召喚して戦ってもらっている。
青年はエリを労おうと思い、ポーチから飴玉を取り出す。
「でも戦ってくれたわけだし……はい、飴ちゃんどうぞ」
「マスターのお心遣いに感謝します!」
エリは飴玉を口の中に入れると「もごもご」しだした。血色の良い頬を動かし、幸せそうな顔で味わっている。よほど美味しいのだろう、目を閉じて頬が緩み切っている。
飴玉を堪能するエリに青年は声をかける。
「今日はこれぐらいで帰ろうか」
「私はまだまだ戦えます!」
「僕が帰りたいんだ」
「わかりました。では!」
そういうとエリは四つん這いになった。
この体勢がなにを現すのか、なにをしてほしいのか、なんとなくわかるがそれでも青年は疑問を口にする。
「……何してるのかな?」
「この前、目にした召喚獣がこうやって主を乗せていました! マスターもどうぞ!」
「僕は乗らないから。早く行くよ~」
「そんなマスター! 待ってください!」
自分が呼び出した召喚獣を無視して青年は帰路を歩き出す。
彼の名は
ダンジョンで授かるジョブ【召喚士】を極めた冒険者である。
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