第20話




「そっ……か。

………流舞ちゃん、あり、が、とう」



小さく、小さく絞り出されたその声は、しっかり空気を震わせて、私の耳に届いた。






男だって、女だって、別に変わらない。






愛を前に、人は性別も身分も関係なく、

ただただ相手に求められ、相手を求める。





愛という行為が、人間の生殖本能だという見解ならば、同性や子供が産めない体である女性は真っ先に除外されてしまうだろう。






でも、人間は違う。





私たち人間は、後世に遺伝子を残すより、


愛し合う幸せを望むのだ。








人類滅亡とか、世界が終わるとか。



そういうものよりも、愛する誰かを失いことを恐れる。








私にはわからないその感覚。



でも私は知っている。








愛とは、唯一心を満たしてくれるものだということを。









だから、幸せになってしまえば、


愛し、愛される関係であれるのなら、








私たちにとって、


性別や障害など、関係ない。

金や権力、地位すらも関係ない。




愛を前にすれば、

全ては平等になるのだ。








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