第13話



「あー!笑ったー!」


「お前のバカさに無理やり笑ってくれてるだけだろ」


「え!こんなにイケイケなのに!」


「一人で言ってろ」






藤也がギャーギャーわめくのをため息で流し、貴都は私に話しかける。






「とりあえず今日はベッド貸すからそこで寝てくれ。っと、1つ聞きたい」






貴都がすっと真面目な表情になる。

騒いでいた藤也も静かになる。






「いつからあそこいた?」






そういえば、さっきからずっと聞かれていたのに、答えていなかった。






「……昨日の、……た、しか、……9時、から?」


「夜の?」


「あ、さの」






貴都の顔が歪む。

そっと私の頭を撫でると、そのまま腕を掴んで引かれるままついていった。



この部屋の奥にあるドアを開けると、寝室らしき部屋があった。

大きめのベッドがる。





「わ、わた、し、…床で、いい、……です」


「女、床に寝せられるかよ。

しかも、昨日は一日中雨降ってたのにずっといたんだろ」





グイグイとベッドに私を押し、寝かせると、布団をかけてくれた。






「なんかあったら、呼べ」







そう言って、貴都は部屋を出ていった。








  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る