第2話



どこまでも続く空。

人々が行き交う街。

寄せては引くを繰り返す海。





止まない雨。

晴れない雲。

地面に叩きつけるように落ちる雫。





今日どこに寄って帰るかと笑う高校生。

論文が思いの外進まないと頭を抱える大学生。

残業で帰れない、疲労した社会人。






人々はそれを幸せとは思っていないだろう。





でも、私はそれが羨ましい。


なによりも欲しいその"日常"は、

私には、手に入らないのだ。









あぁ、羨ましい。











──私には、何もない。












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