デート?
次の日の朝、僕達は朝ごはんを食べながら今日の予定を確認していた。
「という事で今日は昨日話していたショッピングモールに行きましょうか」
「やった!」
「そんな嬉しいですか?一般的な場所ですよ」
「でも服も雑貨も娯楽施設もあるんだよね?私そういう所で過ごすの好きなんだよ!」
「なら良かったです。じゃあ準備して早速行きましょうか」
「了解。あ、ねぇねぇこうやって出かけるのって何かデートみたいじゃない?」
「……」
心のどこかで思っていた事をズバリと言われて固まってしまった。こういうの先輩はさらっと言ってくるんだよなぁ
「ねぇそう思わない?いつもと違う所に行くのってやっぱり…」
「早くしないと置いていきますよ」
「あー待ってよ!」
バタバタしている先輩をよそに、僕は手短に準備を済まして玄関に向かった。
その後、先輩と揉めながらも数駅電車に乗って無事目的の駅に到着した。
元々昔からあった施設だが最近リニューアルしたため綺麗な商業施設になっており、様々なお店が入っている事から家族連れも多く、休日はいつも賑わっている印象だ。
「おぉー施設の中広いね」
「そうですね、施設内に芝生の公園とかもあったりして思ったより広いですね」
「あれ?その口ぶりだと最近はあんまり来てなかった?」
「新しくなってからはほとんど来てないですね。前は友達と来てましたけど、この公園見てわかるように家族連れをメインターゲットに絞ったみたいでなかなか来る機会無かったんですよ」
「家族と一緒に来ればよかったのに」
「それは思春期男子には厳しいですよ」
「そんなものかしら」
そんな雑談をしながら施設の中に入って行く。先輩にあんな事言っていたものの、僕も久しぶりに入るのでなんやかんやワクワクしていた。
今日の流れはまず先輩の買い物をすまして、時間があるようなら他のお店を回る予定になっている。
「じゃ最初は私の買い物に付き合ってもらうことになっちゃうけどごめんね」
「いや、構いませんよ。どこいくんですか?」
「少し部屋に置く小物とか見に行こうかなって」
「がっつり居座る気満々ですね…」
「まぁ近況聞いててもすぐ帰って来られそうな仕事量じゃなかったしね。ひーくんも快く同棲を認めてくれたから、せっかくならお部屋も少し物置いてみようかなと」
「同棲じゃなくて同居ですよ」
「まぁ細かい事は気にしないの。男の子は小さいことは気にしないものよ」
「言葉の変化は小さくでも意味が大きく変わるんですが…」
そんな僕を笑いながら見ている先輩。僕をからかっている時が一番楽しそうな顔してるのは気のせいだろうか。。
「これ可愛い!買ってくるね」
先輩はクッションや小物入れなど好みの物を購入して戻ってきた。
「荷物持ちますよ」
「ありがとう!ほんと優しいね」
「これくらいだったら全然ですよ。次はどうします?」
「そうだね、次はここかな!」
先輩が指差している先はカラフルな色合いが目立っている下着売場だった。
「いやいや!勘弁して下さい!」
「あはは、流石にノリだけじゃ無理だったか」
この人は本当にもう。。
仮に僕がノリで入るって言ったらどうするつもりだったんだろう。いやそんな事絶対出来ないんですけど。
「冗談でもやめてください…僕は適当にフロア回ってますんで終わったら連絡下さい」
「ざんねーん。分かったよ。またあとでねー」
そこで一度先輩と別行動になり、どこに行こうかフロアマップを見ていた所、大きめのスペースの本屋を発見した。家の近くに大きな本屋が無いこともあってせっかくの機会だから見に行くことにした。
「休日とはいえ、すごい人だかりだ」
本屋まで行く途中にもたくさんの家族連れとすれ違った。うちは父親が世界中飛び回ってる影響もあって、こんな休日の過ごし方あんまりしたこと無かったから凄く新鮮だ。自発的に来ることは無かっただろうから、こんな経験をさせてくれた点に関しては先輩に感謝しないとね。
「おぉ!」
本屋に着いて中を散策すると思った以上の品揃えに驚いてしまう。読みたかったスポーツ雑誌や経済誌も揃っていたのでパラパラと試し読みしているとあっという間に時間が立っていた。
気が付くと先輩から連絡が入っていたので先輩の元へまた戻ることにした。
「すみません連絡気づくの遅れちゃって」
「全然大丈夫だよー。どこか面白い所でもあったの?」
「えぇ本屋に行ってきたんですけど、なかなか品揃えがよくて夢中になってしまいました」
「へー!私も行ってみようかな」
「是非、本屋だけで時間潰せるくらいでしたよ」
「それは楽しみだなぁ。そうだ、そろそろお昼行かない?」
時間を見てみたらもうお昼になっていて、言われて意識するとお腹が空いてきた。
「そうですね。フードコートがあったと思いますし、そこ行きますか」
「分かった!それでお昼食べながら午後の予定でも決めようか」
「了解です。では行きましょう」
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