のっけからネガティブ
第1話 図書室と音楽室
自堕落でもなんでもなく、毎日のように変わる気候にも悩まされず、風邪や熱もない。寝たり起きたりの時間は毎日ほとんど同じなのにここ最近体がだるい。
その理由は分かりきっていた。
時折、「精神なんかあるのだろうか、こんな僕にも、」と考える。そう、その精神が原因なのである。
毎日のように電車では人身事故が起きている。「マグロだマグロだ(人身事故がまた起きたぞ。)」の声で線路は大漁になる。
僕もその一人になる資格くらいはあってもいいはずだ——。
クラスから完全に浮いていて、窓に足をかける真似をしても誰も振り返らず、担任の厳しい目でさえもそれを捉えていない。黒板に限りなく近い席だぜ、ここは。
というわけで半幽霊のような自分をいいことに最近は図書室や音楽室をぶらつくことに没頭している。
——不意に冷たい風が肌に触れた。
うええ、窓半開きじゃねえか。寒い寒い、閉めよ閉めよ。おい、ちゃっぷいぞ図書委員、どんとはどうしたどんと!
僕は暇なので最近自己分析にハマっているのだが、結果はいつも「最低のクズ」「夢想人」で、悟りも得れない僕は最近この遊びをやめた。
——今日はどれ読もうかな?
不意に声が聞こえた。振り返ったが、誰もいない。
本と本が擦れ合うことがして、止んだ。
気がついたとき、図書室に静寂は戻ってきていた。
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