星に届け☆異世界の魔法
せなみなみ
第1話 オレ……転生者なんだ!
俺は街の食堂に三人を呼び出していた。
三人とは幼馴染。
近くにねぐらを持つ同い年と、その二つ下の双子の妹。
皆、俺と違って可能性の塊のようなやつら。
三人とも今日は俺の奢りと聞いて、普段からは絶対に頼まないようなものにがっついている。
「モグモグ……それで改まって、僕たちに告白したいことって何?」
口に物を入れながら訊いてくるのは、小さい頃から常に一緒だった親友。彼は界隈ではわりと名の通った剣士。ちょっぴり行儀が悪いが今日は細かいことは言わない。
そして近くに住む俺のことも、親しみを込めてお兄ちゃんと呼んでくれる妹同然の双子たち。
「ぺろぺろ……私たちにも奢ってくれるなんてどうしたの、お兄ちゃん?」
「ホント、超太っ腹~~~。もう何でも相談に乗っちゃうから任せてね♪」
何かと気にかけてくれるしっかり者の上の方と、調子のいい下の方。
姉は頭脳派で、妹のほうは無手での体術を得意としている。
足元には彼らの仕事道具。
三人ともどこに出ていっても恥ずかしくないほどの実力者。
自分はというと総合力は決して悪くないのだが、三人の得意分野にはとても及ばない器用貧乏。
それが俺にはどうしても我慢ならなくなり、生まれてからこのかたずっと、ひた隠しにしてきた
そして俺はテーブルの中央に手を伸ばし、人差し指をそっと立てる。
「ごにょごにょ……」
そして詠唱を始める。
……そう。それは女神のいたずら。
自分には大魔導師だった前世の記憶があるのである!
そして人差し指の上に赤い光が灯る……
「今までずっと黙っていたけど……」
「(ゴクリ……)」
「実は俺……転生者なんだ……!!!」
次回 最終話
そしてチート?伝説へ……
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