第20話 命を繋いだ結晶、心を繋いだ結象
「…これで、いい…はず…だよな…?」
オレは、自分が正しいのかどうか分からず、誰に聞くともなく呟いてしまった。
三種の鉱石の欠片、フォトン結晶、ゼロポイント結晶、エネルギー結晶…それを、とりあえず体の中心部分に近いお腹と胸の間に合わせて置いてみた。
すると、はじめは青白く光り始めた…
まずい…これは…まずいって…
結構光ってる…だ、誰もいないよ…ね…?
オレは周りを見渡してみた。
「………」
すると、さすがに滅多に人が来ない場所故か、誰もいないことに安堵した。
「ふぅ…よかった…」
さすがに、光り過ぎだって…
そして今度は黄金色に光りだす…
おいぃぃぃ!
ちょっと、待てって…派手すぎるって…
すると、傷の周りがそれぞれ、青白い光と黄金の光で点灯している…
…クリスマスツリーかよっ!って、言いたくなった…
色んな光を放っていて焦るオレだったが、エリナの顔色がだんだんと良くなり、皮膚にも血の気が指してきた。
オレは、その様子を見るたびに安心感が広がり、いつの間にか涙が溢れていた。
…よかった…よかった…よかった…
これで、だいじょうぶだ…
それじゃあ、オレは…
と、思ったのだが…さすがに欠片とは鉱石をこのままにしておいていいのだろうか…?
…いや、だれかに見られるとまずい…よな?
「…どうしようか…?」
…エリナの服の中にでも入れておくか?
「………」
いやいやいや…
子供だからといって、女の子の服に手をいれるのは…
「………」
…うん、立派な犯罪になるな…向こうでは…
けど、この世界なら…
いやいやいや…
けど…しかし…だが…う~~~ん…
オレは意を決して服の中に隠すことにした…
ボクはロリコンじゃない…ロリコンじゃない…ロリコンじゃない…
何度も繰り返しながら、エリナの服の中に鉱石を隠し治癒を促したのだった…
「さて…いくか…」
…ボクはロリコンじゃ、決してないんだからねっ!
最後に否定して、オレはその場を後にした。
「…後で、また来るからな。エリナ…いい夢を…」
その言葉に反応したエリナの微かな声が、レイの心に小さな希望を灯そうとした。
しかし、彼はその瞬間を見逃し、無邪気な夢の中に戻る彼女を背に、静かにその場を後にした。
「…レイ…ありがと…う…」
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