流刑地の快適スローライフ ~追放された悪役令嬢の世話係としてTS転生した俺、島の生活が快適すぎるので満喫してたら、いつの間にか配信されてた件~

月杜円香

第1話 宮地愛瑠……男です

 俺の名前は、宮地愛瑠みやじめる。一応男だ。

 25歳。美容師。

 愛瑠めるという名前は、今時の女の子らしくて非常にコンプレックスである。

 両親は、女の子が生まれると医者から言われて、『愛瑠』の名前を決めたそうだ。

 だが、生れてきた俺にはが付いてたわけで~~ お袋たちは子供は一人で良いという考えだったので、名前が俺に付いてしまったんだ。


 俺は、手先が器用な大人しい子供だった。女の子とばかり遊んでいた。

 が、体格のデカイ男子には苛められた。


 そんな対策として、俺は五歳から空手を習わされていたんだ。

 親なりの配慮らしい。おかげで、小学校の三年生の頃には、俺の名前のことでいじってくる奴はいなくなっていた。


 女の子長い髪の毛を、自分の手で結い上げたらと思うと、ワクワクして高校を卒業後、美容師の専門学校へ進んだ。


 早く自立したくて、高校時代から自炊してる。

 女子力は高いかもしれない。


 な~てことを振り返ってたら、目の前を金髪の美女が通り過ぎていった。

 10月下旬の昼下がり、今日は定休日だった。


 俺……25歳、彼女いない歴=年齢なのは、もてない訳では無い!!

 ただ、ただ、俺が積極的に女を求めていかなかっただけさ。


 通り過ぎた金髪女は、足早に何処かに向かっていた。

 一度振り返ったが、俺は、「「ドキ!!」」とした。

 自分好みの顔だったのだ。


(声をかけてみたい)


 初めて恋した瞬間だった。


 悪いと思いつつスマホで隠し撮りをしてしまった。


 彼女は、池がある竜神公園に入っていった。


(デートなのかなぁ……?)

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