第5話

予定帳を開いて、

(借りてきた猫の)

次のライブを確認する、

華。


山々に囲まれた、

片田舎に住む華には、

とても、

遠くのイベントには行けないから、

手の届く範囲の中の

日帰りで

行ける所まで。


6月のはじめ、

田植えが終わり、

近くの田んぼには

水が入り、

稲の苗が

縦一列に

ずっと遠くの方まで続いている。


華やかな、

芸能界とは、

遠く離れた

地方の田舎で

スマホを見つつ、

(華は)

いつも

まりに、

憧れている。


学校の成績は中の中で、


容姿は地味、

普段着ている私服も、

やっぱり

地味で。

華やかなのは、

名前だけか?


華やかの華(はな)なんだから、

普通は、もっと

目立ってもいいはずなのに。

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