第52話

「えっ、どう言う意味ですか?」





「君は凛じゃない。」






私を不破凛ではないと断言する先輩。






「先輩のこと思い出せなくてごめんなさい。

でも私は不破凛です。」









平然を装って言った言葉も








「俺の目は誤魔化せないよ。





だって、君には凛にあるはずのホクロがないんだ。」



と私の頸に触れる先輩。





「いつも髪で隠れているけど、今日たまたま見えて。

とても小さいものだしまさかと思ったけど、やっぱり君にはない。

凛はどこ?」








それほどにも先輩は親しかったのか。





流石にそこまで言われて隠し通せるなんて思ってない。

だけど先輩は私が何者かまでは知らないのだ。







私の正体がバレてしまえば、不破家からどんな制裁を受けるのだろうか。



でも、まだ手は出せないはず。凛として存在しなければいけないから。







だから








「先輩が凛との関係を教えてくれるなら、お話しても構いません。」






先輩と取引きすることにした。

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