Jun

第60話

あっという間に連休は終わり気づけば梅雨入り目前。



「来週は雨続きか。」


週間予報を見て溜息がこぼれた。

雨はあまり好きじゃないし、じめじめとするこの季節がとても苦手。






そんな私を見ていたのか珍しく隣の席の青山くんが話しかけてきた。






「清水さん雨嫌いなの?」






「どちらかというとあまり好きじゃないね。」





「なんか意外。雨とか似合いそうだし。」




雨が似合うってどういうこと?

青山くんは、私が辛気臭いとか暗いとかそう言いたいのだろうか。




頭の中で考えたけど、あえてそこには触れずに





「そうかな。」




と返すと



「ほらほら、そういうとこ!変な意味じゃなくてなんていうかクールなところが雨が似合うなって思ってさ。」



と何故か笑顔で話すと青山くん。





褒められてるのか貶されてるのかよくわからないけど青山くんに悪気がないことだけはわかった。






だから気まぐれで


「青山くんは雨好きなの?」


尋ねてみた。




「俺も雨嫌いだよ。ほら、天パだから困るんだ。」


と頭を指差す。





エリートクラスでは珍しく青山くんはフレンドリーで、さらに言えばイケメンと呼ばれる部類に入り他のクラスの女子からも人気がある。

そんな彼の栗色のゆるふわパーマが天パなんて驚きだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る