第57話

「やっぱりここの料理は美味しいね。」




とハルに言ったとき







「嬉しいこと言ってくれるね。

新作のデザートちょっと味見してよ。

ハルにはいつもの。」




とフミトさんが私にはパフェを、ハルにはコーヒーを出してくれた。





綺麗に乗せらせた果物。アイスクリームを出して一口食べると




「ピスタチオ?すごく美味しい!」



と口元が緩む。





「本当に美味しそうに食べるね。

この店に来るたびにさぁちゃんの表情が増えるね。」



と頬杖をつきながら嬉しそうにハルが笑う。






「そうかな?」


言われてみればそうかもしれない。

美味しいものって自然と笑顔になるから不思議だ。





そんな、私を見て



「悩める乙女からいい顔になってるね。」





と満足そうにフミトさんも笑った。








「ハルやフミトさんのお陰です。」






あの日から学校と家の往復だけで、学校はなんだか窮屈で、こんなに誰かと一緒にいることが楽しいと思えたのは、居心地のいい場所は久しぶりだった。






だから、お店を出るとき

「また来ます。」




自然とそう言えた。

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