第8話
その声の主は、吹奏楽部で一番仲良くしていた真紀子だった。
真紀子は、先輩の腕に抱きついてそのまま店を出て行く。
先輩の鞄のキーホルダーが揺れる。
見たことのあるキーホルダー。
真紀子が大事にしているものと色違い。
仲がいいだけだよね?
鼓動が早くなる。
だけど、再び2人に目を向けると、駐輪場でキスをしていた。
疑惑が確信へと変わる。
2人は付き合ってるんだ。不意に涙が溢れる。
先輩に彼女がいたことはショックだったけど、何よりも相手が真紀子だったことが一番のショックだった。
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