March

第2話

「痛っ。」




大して痛くもないのに反射的に声が出る瞬間があると思う。


まさに今。





私の横を走り抜けた男子のテニスラケットがほんの少しぶつかったらしい。




彼は校門まで走り立ち止まる。

待ち合わせていたのかそこには彼女らしき子がいた。

そして、なぜか私の方を見てなぜか一礼した。

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