少年は星を見る
ルイ
旅立ち
一年に一度、ある巨大な流れ星が空を通る
それは人々の願いを受け止め、叶え、そして消える
その祭りの名を人々はこう名付けた
ワルプルギスの夜と
これはある一人の記憶消失の子供が母に会い、自分が何者なのかを知る物語だ
小鳥のさえずりで僕は目を覚ました
僕が目を覚ましたのは小屋だった
とても殺風景な部屋であるのは革製の不思議な感じがするウエストポーチと何かが入っている小袋だった
起き上がるとなにか不思議な声が聞こえた
「小袋の中を見て」と
その言葉の通りに僕は小袋の中を確認するとお金が入っていた。
そしてまた不思議な声が聞こえた
「お母さんに会いたいならブロッケン山に来て」
そう発した後声は聞こえなくなった
「行かなきゃ」
お母さんに会いに
お母さんのことも知らないのになぜかそんな思いに駆られた
僕はウエストポーチにお金が入った小袋を入れて小屋のドアを開けた
小屋のドアを開けると視界いっぱいに自然が飛び込んできた
草原、湖、山脈....
僕は一歩踏み出した
ふりかえるとなぜか小屋は無かった
先ほどまであった小屋は見事にきれいさっぱり消えていて後には何もなかった
僕は前を向きなおし走り始めるのだった
「うわぁ~~~~~~っ!?」
僕は何か不思議な生物に追われていた
体が透明のゲル状でできていて丸っこい体の中心には目のようなものがあった
僕が走って逃げているうちにだんだんと体力がなくなっていき
「ぐへぇっ!」
こけてしまった
それも顔面から
いそいでゲル状の生物の方を見るとすでに目の前にまで来ていた
「~~~~~~~ッ!!!!!!!!」
聞き取れない大声を出しながら僕に襲い掛かってきた瞬間
「
誰かの声が聞こえた
そして......ゲル状の目のようなものが一刀両断されてゲル状の生物は目のようなものを残して残りは消えてしまっていた
「なっさけないなお前!スライムなんかから逃げるなんて」
目の前には蝶のような羽を持った子供がしりもちをついている僕を見下すように立っていた
「スラ...イム?」
先ほどの生物の名前なのだろうか?
「お前スライムも知らないとかどこの田舎者なんだよ!?びっくりするわ!」
まぁいいやと言い僕に手を差し出し
「俺はマークス。お前は?」と言ってくる
「?」僕が首をかしげると
「名前だよ名前!」とめんどくさそうに言ってくる
「名前....ないや....」
「ああもういいや!それじゃあお前今から名無しだからナナシな!」と僕を指差して言ってくる
僕は断ることができずに「うん...」と頷くのだった
少年は星を見る ルイ @ruisyousetu
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