1人の俺
影山 みはつ
第1話 悲しみの奥で
「製造ナンバー062 製造ナンバー 036 異常なし」と会社の大きな倉庫で、那奈が大きな声で発言した。
那奈が「私、ちょっと外に出ます」と工場の中から、外へと飛び出して行った。
夏輝が「お、那奈か?あんな所で何をやっているんだろう?」と那奈を観察していると、後ろからボールが頭を直撃した。
夏輝が「痛いな。何をやっている」とまたボールを返していた。
那奈は、外で黙々とお昼を食べていた。
キンコーンとチャイムが鳴って、外にいた那奈が「あれ?夏輝。こんな所で何をしているの?」と夏輝に返事をした。
夏輝が「あぁ、それが、まさかとは思うけどボールが頭直撃してよ?ボールに当たったのはお前のせいだからな」と那奈に突っかかった。
那奈が「何よ?それ。もとはといえば、のんびりしている夏輝のほうが悪いんじゃないの」と夏輝に怒鳴った。
夏輝が「うわ。怖い」と那奈の合鉄な鉄拳が頭を直撃した。
祐子が「ほら、もう休憩終わりだよ。仕事に戻って」と那奈に声をかけた。
那奈が「はーい。すみません。今戻りました」と祐子の後を追うようにして工場の中に戻った。
夏輝は、社会人バレーを初めて、グラウンドでボールを打ったり、レシーブをして楽しんでいた。
那奈は工場で、車や腕時計を作る検査員をやっていた。
祐子が「申し遅れましたが、今回配属になった方がいます。夏輝さんです」と那奈たちに紹介したのは、社会人バレーをしている夏輝だった。
夏輝が「ゴホン、今回、配属になりました。夏輝です。よろしくお願いします」と挨拶をした。
ほかの社員達が「あぁ、良かった。これで仲間が増えたんだな」と嬉しそうにして居た。
那奈が「何で?夏輝が、こんな所にいるの?」と夏輝に聞いた。
夏輝が「あ、それは那奈が働いているから、俺も働かなきゃいけないって思ってさ」と那奈の返事に答えた。
那奈が「もう、あんたね?私の働いている職場なんだから、私の邪魔だけはしないでね」と横目で睨んだ。
夏輝が「何だ、アイツ。本当、いつも一言多い」と那奈に歯向かった。
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