第6話
「 ………… ??!!!」
驚く彼女を横目に、咄嗟に手を取り中へと連れて来たはいいものの非常に気まずい。
音楽室の外から滅多に聞かないであろう女性の悲鳴が突然聞こえたもんだから『何事だ?』と何人か先生達が駆け足でこちらに向かっている足音が聞こえて来る。
開けて中に入って来られた時、こんな姿見付かったら只事では済まない気がすると思ったオレは彼女の手は離さず、どこか身を隠せそうな場所が無いか辺りを見渡す。
しばらく見渡すとオレの隣に居た顔どころか、名も知らない女性によっていつの間にかオレの手
は握られていて驚く隙さえも与えぬまいとそのままどこかの部屋へと連れて行かれる。
「 ………… ??!!!」
その場所がなんの場所かも分からずにオレまで入ったのを確認した彼女は、少しの音も立てぬ様ゆっくりとドアを閉めたかと思えば次の瞬間、オレの唇の前に自分の人差し指を押し当てて “しーっ“として見せた。
「 ………っ、」
薄暗いと言われれば暗いが、何とかお互いの顔は確認出来るか位の視界の中、彼女の表情が気になって仕方がなかったが今は彼女に従うしかないオレは動揺しながらも頷いて見せ、先生達が去るのを黙って待っていた。
その時オレの心臓は聞いたこともないくらいの大きな音で鼓動をドクドクと響かせていた。
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