第4話



「あ〜、いってぇ…。せっかく寝てたのに。真面目に授業受けんのなんかだるいんすよ」そうデコピンを受けた箇所を片手で押さえながら身体を起こして訴える。


「そうは言っても授業の欠席は後々内申書に響くのよ?それちゃーんと分かってるー?柳くん 」と返ってくる。



やべ。そうだった。まぁでも慌てなくてもまだ夏は始まったばかりだからこの後挽回すれば良い話で。そんな事を脳裏で思いながら、内履きに再び両足を入れ先生に「まぁなんとかなるでしょ。んじゃ先生またね〜」と手を振りオレは保健室を出た。



さて次はどこに行こうかなと考えながら廊下を歩いているとある旋律メロディーがオレの両耳を捉える。



「 …… ?」



音のする方へ気が付けば無意識に身体全身持っていかれるような __ 、そんな感覚を感じながらも導かれるように辿り着いたのは音楽室の前の扉だった。



そしてそこから見えたのは音楽室に置かれているグランドピアノを利用して音を奏でるある1人の女性の姿だった。



弾く姿と言うよりも、彼女の弾き上げるどこか

繊細で儚く綺麗な旋律メロディーにオレの心はひどく惹かれ、なんかこうグッと掴まれた、そんな感覚に陥った。

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