帆夏が完全に出ていったのを確認した夏樹は

その男の方へと向かい、彼の目の前に立つ。

「まあ良くも俺の女にあんな事してくれたよね〜」

「は ? 悪いけどアンタ誰 ? 」

そう言った桐谷千隼に対し夏樹は彼の襟を思いっ切り掴みこう言い放った。

「俺はさっきテメエがキスした女の幼馴染みだよ！！！

わっかんねえようだから言ってやるよ、いいか？

痛い目に遭いたくなかったら黙って聞けよ」

そう夏樹が言うと、桐谷千隼は怠そうな声で

「さっさと言えよ」と言った。

そんな態度の彼に対し苛立ちが収まらない夏樹は

殴りたくなる衝動を抑え、襟から手を離せば話し始めた。

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