第41話

ただただ廊下を駆け抜けて数分 、 帆夏は

もう学校という場所に居る事すら苦悩になり

気が付けば正面玄関を出ていて、ただただ真っ直ぐに

校門へと逃げるように走っていた 。



息を切らせながらも、校門の柵に手を掛け、

横にスライドさせ出ようとしたその時だった 。



「お前、そこで何をしている。

早退は基本許されていないはずだぞ。」



その声の主は、先生かと思われたが違くて 、

その人は、今朝帆夏が夏樹と共にクラス表を

見に行った時に、黄色い悲鳴の注目になっていた

2人のうちのもう1人の方の、東雲冬馬だった 。



「……。」



「お前、確か今朝高梨に助けられてた奴か?

その制服…中等部だな。名前は何だ?」



「…三原 帆夏 です … 。」



「…三原な、覚えとこう。俺は、高梨と同じく

高等部1年の東雲冬馬だ。以後覚えておけ。」



「…は…はい…。」



「…ところで、話を戻すが、三原と言ったよな?

ここで何をしているんだ?何故ここに居る。」



「…それは言いたくないです…、ごめんなさい!」



「あっ、おい!!」



帆夏は、何度も繰り返して来ているが、再び相手の質問に何も答えず、背中を向けるように校門から姿を消した。



帆夏は、ただただ申し訳ない気持ちでいっぱいだったが、今はそれどころではなかった 。



この気持ちが一体何なのか…。

そして、この事は誰に話せば良いのか…。

夏樹だけには絶対話せない…。



数々の思いを抱きながらも、帆夏は家へと向かった。

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