第34話

東雲 冬馬 と 、 高梨 星名は周りの女子達の黄色い声に全く動じず2人はそれぞれクラス表から自分の名前を探す 。


とそこへ2人の美女が現れた 。


これには女子達ではなく、男子達が反応した 。


『おいおい、あの2人って高等部1年でかなりの美人と

噂の右側が、柊 静華 ( ひいらぎ しずか )と 、

左側が、藤堂 椿 ( とうどう つばき )だよな!!』


その2人に視線を向けた瞬間、先程の東雲や高梨の時と

同様、帆夏は2人から目を離さずには居られなかった 。


帆夏は、4人のあまりの美貌さに圧倒され、

自分に自信をなくしていた 。


見とれてしまう勢いで見ていたため、

帆夏は手に持っていた鞄を思いっ切り手から

落としてる事に気付いていない 。


ようやく気付いた帆夏は、落としたスクバを

拾おうとしたその時通り人とぶつかる 。


「きゃっ…!!」


かなり派手に向こうが帆夏にぶつかって来たので

帆夏はバランスを崩し横に倒れそうになる 。


_______  その時だった 。



「キミ、大丈夫?はい、鞄。」


と帆夏を支えたのは 高梨 星名 だった 。


「はっ…ははははいっ!全然大丈夫です!」


と言って帆夏は駆け足でその場を去る 。


「…はは…面白れー奴。」


「ちょっと!2人聞いてんの!?

毎回私達を置いて行かないでって言ってるのに

また置いて行ったでしょ!!!」


と 柊が猛反発する 。


「お前らが遅いだけだろ!?なあ、冬馬」


「( 頷く )」


一方の帆夏は、水道がある場所まで来た 。


「…死ぬかと思った」


その時、どこかから帆夏の名前を呼ぶ声が聞こえて来た 。


その声の主は夏樹だった 。


「お前どうした?すげえ顔赤いけど…。」


「えっ!?きっ…気のせいだよ!!

ほっ、ほらあたし良くりんご病とか言われるし!」


「……。」


「……。」



帆夏と夏樹はお互いに無言のままその場所から、

正面玄関へ向かって歩を進めた 。

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