第30話
そもそもファンクラブなんてものはない。だって、私が聞いた彼はどこからどう見たって近付き難い存在そのものだったから。なんなら別の意味で、目立ってたみたいだし。そんな彼が今はファンクラブ出来ちゃう程になるなんて一体何があったの?
気付けば雅も私も、無意識に匠海が隣に居るにも関わらず、橘 遙人をじっと見詰めた。
そんな私達2人の様子に、橘 遙人が見るに耐え切れなかったのか、血相と
「 あのさ 、さっきから2人からすげえ視線感じるんだけど何か用 、? 」 と、声が発せられ両方の耳に届く。
用がある訳じゃないけど、やっぱ違う。まず昔こんな口調じゃなかった 。成長する前とは言え、話し方に凄く違和感を感じる。
絶対何かあったよね、? と、そんな事を思う私に対して雅は、そんな彼の変わりように最早恐怖を覚えたのか、声を少し震わせながらも、
「 … ううん、何もないよ 、」と敢えて嘘を付き 、私に 〝 行こう 〟と声を掛けて来た。
そんな雅の目には、まだ涙がうっすら残っているだけでなく顔色が酷く、悪く、見えた。
彼女も私と同じで、上手くは言えないけど、
“何か”が違うと感じているんだろう。
ただ、その“何か”が、なんなのかは私も雅もお互いに分からない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます