第11話

思わずその顔に気を取られてじっと見てしまう 。

私のその行動に彼の低い声が耳に落とされる 。




「 … おい 、あのさ 、何だよまじまじと人の顔じっと見やがって 、正直言って気色悪ぃ 」



とその男の子が怖い表情をして私に言って来た 。




「 … あ 、いや、何でもありません !

急にごめんなさい 、近づいたりなんかして 」



と言ってぺこりと頭を下げ去ろうとしたその時だった 。

突然腕を掴まれ 、その男の子が言う 。



「 … お前どこかで俺に会った事ねえか ? 」



… 心臓がドクンと大きく鳴った 。こんなに大きく鳴ったのは久々かもしれない … 、いや初めてかも ?

そんな事は置いておいてその台詞に身体が硬直する 。



_ 〝 人違いじゃない 〟 _ 。これだけは分かった 。

ということはつまり私と過去に面識のある子 。

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