寄る辺なきバロン

@yuki0141


 教会の洞房にて、僕は日もすがら窓を拭いていた。

手は冷水に赤くなり、ささくれだつ指先が痛んだ。しかし、幼かった僕は窓を拭き続けなければならない。この世の業が真だとするならば、僕はそれを迎合するまでである。無知という罪が己に何を科すのか、無知な僕には知る由もないのだ。

 

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