最果ての村〜英雄達の末裔は世界を再び揺るがします〜
ケイ素 料理警察
幼少期
第1話 転生
俺は、普通に生きて普通に仕事して普通に死ぬ、そんな普通な人生を送るものだと思っていた。
高校二年生の秋、俺は不登校になり冬を迎えようとしていた。
不登校になった理由?所謂精神疾患というやつだよ。そこに至るまでは省くが俺はソレによって精神を苦しめられた。親や友人、先生に相談することが怖く病院へ行く頃には重症と診断された。
そして今現在、外で散歩をしながら過去を振り返っていた。
いつか、また普通に暮らせる…そう思いを馳せて。
考え事をしていると目の前にいる猫に向かって車が勢いよくぶつかりそうにしていた──
気がつくと猫を庇うように抱き上げ
車が思いっきりぶつかってきた───
☆★☆
ここは、どこなんだろう。気がつくと周囲が真っ白な空間にやって来た。
不思議と落ち着いている自分に驚いている。
『こんにちは、××君。君は先程の事故によって死んだんだよ。』
そっか、死んだのか。また両親に迷惑かけることになるな…ごめんなさい、父さん母さん
もう会えないだろう両親に心の中で謝った。
『君はこれからどうしたい?ココに来れた数少ない魂の一つだ。できる限りの要望は聞くよ。質問があれば答えさせてもらうからね』
声の持ち主は、俺たちの考えている神と同じで世界を創り観測しているそうだ。
質問をしていく内に分かったことが幾つかある。
まず1つ、ココはあの世とこの世の狭間らしい。普通は来れないが稀に迷い込む魂があるらしい。そのもの達は神が直接、話を聞き来世へと送り出すそうだ。
そして2つ、この神様は地球のある世界を管理している神様では無いらしい転生先は剣と魔法の世界だって、少しワクワクするね。
3つ目、この神様の世界以外に転生という選択もあるらしい、でも記憶は無いし要望は聞けれないそうだ。ふむふむ迷うね。
少し考えた結果、俺は転生することにした。
要望は以下の通りだ。
スキルを選ぶ権利
転生先を選べる権利
この2つだ。
『うん、これなら全然問題ないね。それなら追加で僕からプレゼントをあげるよ、転生してからのお楽しみだね。』
あなたの名前は…?
『僕は創造神ルーク、君の転生先を創った神と呼ばれる存在。まぁ一応信仰もされているからね。またね』
はい、また会いましょう。
そう言って意識が途切れた。
☆★☆
俺は転生した、転生先に選んだのは辺境ながらも裕福そうに見えたこの村だ。選び方はその村の様子を少しだけ見て決めることが出来たので、なるべく豊かな暮らしをしている村を探した。
村人達はみんな活気があっていい村に見えた。これからが楽しみだ。
そして、スキルなのだがこの世界では産まれと同時に得られるようで儀式などを必要とされていない。スキルが暴走、なんて思ったが創造神様によると使い方を教わるまでは何となくで使えるものではないから大丈夫との事。
別に、危険なスキルを選んだ訳では無いけどね?
選んだスキルは【ストレージ】【鑑定】の2つだ、1つしか取れないのかなぁと思っていたのだが取らせてもらえることが出来た。2つなら問題ないらしい。
「おぎゃあぎゃあぁ!」
こうして泣き叫ぶ赤ん坊が今世の俺だ。
「どうしたのかな?お腹すいたのかしら?それともオムツ?」
今俺を抱き上げた美女は俺の今世の母親で白髪だ、目は青い瞳というより蒼い瞳で濃い眼の色をしている。
名前はウル、この世界の平民は苗字を持たないそうだ。まぁ、あってもなくても家族は家族だからね。
「ウル、ソーマただいま」
扉を開けて俺とウルのいる部屋に美男子と言えるほど顔と体のいい男が入ってきた。この金髪で緑色の瞳をしている彼が俺の今世での父親だ、名前はグラン。両親ともにかなりの美形だ、この世界ではこれくらいのレベルの顔が村で居るとすれば、貴族はもっと美形なのかもしれない。
まぁ、会うことなんてないと思うけどね?
「グランおかえりなさい」
この村では1日3食食べることが基本で、他の村のことは分からないがこの世界で1日3食は裕福な村だと思う。まだ外の事を知らない生後1ヶ月の俺には分からないけどね。
「「いただきます」」
二人が手を合わせて、食事を始めた。夕食を食べ終わると俺の番がやってきた。
高校二年生という思春期だったはずの俺だが不思議と落ち着いておっぱいを飲んでいる。おそらくだが、体に合わせてなのか異世界に来たからなのか思考に変化があるようだ。
その後の俺は、特にすることも無く両親の会話を聞いたり俺の事をよく構ってくれるので暇することは特になかった。
俺はそんな生活を9ヶ月ほど続けて呂律は回らないが声に出して話すことができるようになった。
「ままぁ、ぱぱぁおはやぅ」
俺の精神は徐々に肉体年齢に影響され始めたのか両親のことを父さん母さんではなくママパパと呼ぶようになっていた。
他に変化があるとすれば、家の中だけではあるが徘徊する事ができるようになった。
さすがに外へは行けないが家の中を探検する日々だ。思ってたよりも楽しいね。
俺は前世では、あのままだといつか学校辞めておそらく仕事をするか通信の学校に何とか入るかその二択だったと思う、いつか自由になれる…そんなことは無くあの世界では労働に迫られる毎日を送ることになっていただろう。
労働をすることは今世でも変わらないが俺はこの村でやりたいことをして、楽しく生きれたら今世はそれで満足かな?俺は俺のしたいことをする為にも今世は色々と頑張ろう。
その結果、俺が幸せになれるのなら。
そう胸に誓い、俺は今日もふかふかのお布団に包まり眠りについた。
★★★
ハート、フォロー、星、もし宜しければしていってくださいm(_ _)m
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます